ロシアはウクライナへの遺体返還時にロシア軍人の遺体も引き渡した=宇内務相

ウクライナのクリメンコ内務相は16日、ロシアとの間の最新の遺体送還合意の実施の際に、ロシアがウクライナ側に引き渡した遺体の中にはロシア軍人の遺体も含まれていたと指摘した。

クリメンコ内務相がテレグラム・チャンネルで伝えた

クリメンコ氏は、「最近の遺体送還の際に、私たちのところには、ウクライナ人の遺体に混ぜて、ロシア軍人の遺体も渡された。残念ながら、事実だ。ロシア人は、引き渡す遺体の数を増やして、シニカルな情報圧力をかけながら、私たちの専門家の作業に負荷をかけるべく、意図的にそのように行った可能性がある。あるいは、これも彼らにとって、自国の人間に対する通常の無責任な扱いかもしれない。いずれにせよ、私たちはその遺体もまた特定する」と発言した。

さらに同氏は、遺体送還プロセスは複雑で長く続くもので、最大級に困難なものだと指摘した。

そして同氏は、「またロシアはわざと特定プロセスを複雑にしている。遺体は遺体は非常に損傷した状態で戻され、遺体の一部が別々の袋に入れられているのだ。1人の人の遺体の複数の部位が送還の別の段階で戻されている事例もある」と指摘した。

同氏は加えて、送還がある度に、その後遺体の解剖、捜査官による詳細な検査、DNA鑑定、あらゆる細部の確認といった綿密な作業が始まると伝えた。

同氏は、内務省の専門家が最大限の努力をしており、鑑定が慎重かつ複数回も行われていると強調した。また同氏は、内務省は遺族の痛みと期待を理解しており、特定プロセスを最大限加速させていると伝えた。

そして同氏は、「大型送還が行われるたびに、その作業はますます困難になっており、もしかしたらロシアの目的はそれかもしれない。(中略)最大の課題は、時間だ。私たちは、間違いを犯す権利がない。私たちにとって、それは統計ではない。それは、人なのであり、彼らの一人一人が尊厳ある扱いを受けるに値する人なのだ」と発言した。

なお、ウクライナの捕虜待遇問題調整本部は16日、ロシアとの間で1245体の遺体のウクライナへの送還が実施されたとし、これによってイスタンブルでロシアと達成した合意の遺体送還部分は終了したと報告した。これにより、イスタンブル合意により6057人分の遺体がウクライナに送還されたことになるという。

写真:捕虜待遇問題調整本部