ウクライナとロシア、重傷・重病・若年捕虜の「全員交換」で合意=ウメロウ宇代表団団長が記者会見

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ウクライナのウメロウ国防相は、2日のイスタンブルでの2回目ウクライナ・ロシア代表団交渉の際に、重傷・重病者と若年者という2つのカテゴリーの捕虜を「全員対全員」のフォーマットで交換することに合意したと発言した。

ウクライナ代表団の団長を務めるウメロウ国防相がイスタンブルでの記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ウメロウ氏は、「私たちは、重傷者と重病者の捕虜を全員対全員で交換することに合意した。2つ目のカテゴリーは、18〜25歳の若年兵で、全員対全員だ。また、6000人対6000人の兵士の遺体の返還についても合意した」と発言した。

その際、スキビツィキー情報総局副局長は、「今日新しい進展に達した」と発言した。スキビツィキー氏は、「それは、いわゆる『全員対全員』方式だ。今日、私たちは、故郷帰還の対象となる2つのカテゴリーについて合意した。私たちはメカニズムにも合意した。私たちは、その交換の暫定的な時期についても定めた。今後難しい作業が私たちを待っている。なぜなら、多くの検証が必要だからだ。誰も失わず、誰も忘れないようにだ」と発言した。

また、ウメロウ国防相はさらに、ウクライナ側は本日の交渉の際に、ロシア側に対して、再び空・海・陸の少なくとも30日間の停戦を提案したと伝えた。

ウメロウ氏は、「ウクライナは、ゼレンシキー大統領によって定められた3つの明確な議題項目とともにやってきた。1つ目は、停戦。私たちは、完全かつ無条件の即時の殺人停止を主張している。私たちの提案は、空、海、陸の少なくとも30日間の無条件停戦だ。その提案は、過去3か月間変わっていないし、私たちはそれが平和的情勢解決の開始のための基本だと思っている」と強調した。

同氏は、2つ目の項目は人々の解放だとし、「私たちは、全ての被拘束者の解放と連れ去られた子供たちの帰還を主張している。捕虜解放問題では、私たちは数ではなく、具体的なカテゴリーに集中することで合意した」と発言した。

また同氏は、「児童については、私たちは、あちら側に数百人のロシアに追放されたウクライナ児童のリストを渡した。その問題は、私たちにとって根本的な優先課題だ。もしロシアが本当に和平プロセスにコミットしているなら、そのリストの少なくとも半分の児童の帰還は、肯定的なシグナルとなるだろう」と強調した。

さらに同氏は、3つ目の議題項目は、首脳の会合の可能性だったとし、ウクライナ代表団は6月20〜30日の間に首脳会合を開くことを提案したと伝えた。

その際同氏は、「私たちは、非常に長い間ロシアに対して、この戦争は終わらねばならないと述べてきた。そして、全世界がその点で私たちを支持している。私たちは、この戦争を終わらせるために本当の作業を呼びかけている。最初の必要なステップは皆にとってはっきりしている。それは、停戦、人道的行動、首脳会談の準備だ。もしロシアもまた本当に戦争終結を望んでいるなら、同国はその方向に進むことだろう。そうでないなら、国際制裁が科されねばならない」と発言した。

その他同氏は、同日の交渉では、ロシア側は「自分たちの文書」をウクライナ側に手交したと伝えた。ウクライナ側には、それを分析するための時間が1週間あるという。

ウメロウ氏はその件につき、「数日前、私たちは、ロシア側に私たちの文書を共有したが、彼らからは今日までその文書に関して一切の反応がなかった。今日の議論の際に初めて、ロシア人は自分の文書を私たちの代表団に渡したのだ。私たちのチームには、文書分析のために1週間がある。その後、私たちは、今後の行動を調整し得る」と発言した。

ウクライナ側が提案したウクライナとロシアの首脳会合の可能性について、同氏は、「私たちは、全ての重要な問題は首脳レベルでのみ解決できると強く確信している。そして、首脳会談は、米国大統領のような他の国の首脳を関与させて開催可能だ。そして、私たちは、今後の代表団の作業は、首脳会合の準備を目的とする場合には、意味があると思っている。私たちは、ロシア側に、今月末、6月20日から30日の間に会合を開くことを提案した。それは、交渉プロセスで進展を達成する上で極めて重要である」と強調した。

また同氏は、ウクライナは、この戦争を終わらせるための真の作業を呼びかけていると発言した。