「有志連合」は5月12日開始の30日間完全停戦を支持=ゼレンシキー宇大統領

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ウクライナのゼレンシキー大統領は10日、「有志連合」がウクライナにて5月12日から始まる30日間の無条件完全停戦の実施を支持したと発言した。

ゼレンシキー大統領が同日キーウで開催された「有志連合」首脳会合の後に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「本日キーウで、非常に重要な形式の重要な会合があり、非常に重大なシグナルが出された。フランス、英国、ドイツ、ポーランドの首脳たちが訪れ、確かに『団結した欧州とウクライナ』となっている。こうして他者を団結させながら、私たちは真の平和を近付け、長期的に安全を保証するために、ここにいる5か国の他、欧州連合(EU)および北大西洋条約機構(NATO)の30か国以上の友好国・パートナー国、指導者らとオンラインで取り組んでいる。私たちは、平和のために可能な限り早く何が必要かを話し合った」と伝えた。

そして、同氏は、「最も重要な成果は、次のことについての極めて明確で団結した立場だ」と述べた上で、「私たちは、5月12日月曜日から、少なくとも30日間の完全かつ無条件の停戦が開始されるべきという点で一致した。私たちは、これをロシアに対して共に要求する。私たちは、アメリカ合衆国がこの点で私たちを支持していることを知っている。無条件の停戦とは、いかなる条件も付さないということだ。何らかの条件を提示しようとする試みは、戦争を長引かせ、外交を妨げる意向があることの現れだ。停戦は空、海、陸の全てで包括的に実施されねばならない」と訴えた。

ゼレンシキー氏は、停戦の監視は米国と調整して確保されると指摘した。同時に、同氏は、「外交に真のチャンスを与える」ために、停戦は30日間であるべきだと強調した。そして同氏は、その期間に、安全保障面、政治面および人道面の平和の基盤を定めることに作業を集中させるのだという。

加えて同氏は、「私たちは、停戦と本格的な外交への移行の要求を支持しているのが、欧州の国々だけではなく、米国含む、皆であるということを歓迎している。米国が、3月11日にサウジアラビアでの会合でこの提案を最初に行った。私たちは、ウクライナの主権と安全の主要な保証として、ウクライナの防衛・安全保障戦力を強化することが明確な優先事項であるとの点で一致した。支援部隊も安全保障の重要要素であるべきだ」と述べた。

同時に、ゼレンシキー氏、ロシアが完全かつ無条件の停戦を拒否した場合、ロシアのエネルギー部門および銀行システムに対する制裁が強化されるべきだと訴えた。

その上で同氏は、「EUによる強力な第17回(対露)制裁パッケージの準備が進行中である。このパッケージは英国、ノルウェー、米国の制裁と調整される。私たちは今日のカナダによる制裁強化のシグナルを歓迎する」と伝えた。

同氏はまた、今回の会合でウクライナおよびパートナー国は、ロシアの凍結資産の効果的な活用についての取り組みを継続することで合意したと述べた。このテーマは次回のG7首脳会合でも議題となるという。

さらに同氏は、「先ほど、私たちは全員でトランプ大統領と協議を行い、共通の見解と今後の行動につき合意した。完全かつ無条件の停戦がとても必要だ。(ロシアが)これを拒否した場合の責任追及もまたとても必要である。そのような停戦の条件なら、私たちは共に和平実現の基盤について合意することができる。この戦争をふさわしい形で終わらせるために支援してくれている全ての人々に感謝したい」と表明した。

そして同氏は、ウクライナは様々なレベルで米国と活動しているとし、「トランプ大統領と非常に建設的な対話をしており、チームと連絡を取っている」と伝えた。

なお、10日、マクロン仏大統領、メルツ独首相、トゥスク・ポーランド首相、スターマー英首相がキーウを訪問し、ゼレンシキー宇大統領と共に「有志連合」首脳会合を開催していた。