ロシア軍の無人機攻撃でウクルインフォルムの記者テチャーナ・クリク氏が死亡

26日未明のロシア軍のウクライナ中部キーウ州への無人機攻撃の際に、ウクルインフォルムの記者テチャーナ・クリク氏が死亡した。クリク氏は、プロジェクト「不屈の人のネイション」を考案し、司会を務め、またマルチメディア編集部の編集長代行だった。

また、クリク氏は、ウクライナ記者組合のメンバーでもあった。以前は、公共放送のテレビ司会者なども務めていた。

同氏は、キーウ国立文化芸術大学を卒業。文学編集者として仕事を始め、2015〜2017年には、公共放送のキーウ支部の副代表を務めていた。

ウクルインフォルムの職員一同は、テチャーナ・クリク氏の遺族に心からの哀悼を表明する。彼女の早すぎる死は、同僚たちに衝撃を与え、ウクルインフォルムにとって大きな喪失となった。

チェレヴァティ・ウクルインフォルム総裁は、「テチャーナ・クリク氏は、素晴らしい記者で、私たちの戦いや私たちの英雄について多くの番組を作ってきた。昨日も私たちは、キリロ・ブダーノウ氏(編集注:情報総局局長)のインタビューの準備について話していた。彼女は、私たちの心の中、私たちの記憶の中に永遠に残り続ける。私たちは、同僚のために、侵略者の戦争犯罪を明らかにする報道で復讐していく。そして、キリロ・ブダーノウ氏がそのインタビューで述べていたように、ウクライナの人々を拷問した全ての人は必ず罰を受けることになる」と発言した。

なお、10年以上前、2014年9月4日、ルハンシク近郊で敵の榴弾砲砲撃によって、ウクルインフォルムの記者オレフ・ザドヤンチューク氏が亡くなっていた

また、2024年4月5日には、ザポリッジャ市内で、ウクルインフォルムの記者オリハ・ズヴォナリョヴァ氏が足を負傷。彼女は、負傷後も、足にギブスを付けたまま、仕事に戻った。昨年末、彼女は、大統領から勲章を受け取っている。

私たちは、現在ウクライナで勤務している記者たちが高いリスクの中で仕事をしていることを指摘する。報道関係者たちは、ウクライナと世界に、何が起きているかにつき確認の取れた情報を提供するために戦争の出来事を記録している。それは、本質的に、ロシア占領軍の犯罪の証拠の記録である。ロシア連邦によるウクライナでの記者やメディアに対する体系的な犯罪は、表現の自由と情報安全保障にとって深刻な脅威をもたらし、民主的価値と人権を弱体化している。