ウクライナはロシアとの間で過去に停戦の経験がある=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は、複数の諸外国首脳が提案するような停戦は、プーチン露大統領に戦力を増強させる機会を与えるものであり、ウクライナや欧州にとって大きな問題となるものだとの見方を示した。

ゼレンシキー大統領がイタリアのRAI1局の番組へのインタビュー時に発言した

ゼレンシキー氏は、「戦争における一時停止は、大きな挑戦、ウクライナにとって、ウクライナの維持にとって、ウクライナの未来にとっての大きな問題となるものであり、欧州全体にとって凍結された紛争の大きな問題となるだろう。私たちには、クリミアとドンバス一部の占領後にそのような経験があった。それは、現在、いくつかのメディアの間やいくつかの首脳から聞かれているものと似ているものだった。彼らは、一時停止が必要だと述べているが、それは全て紛争の凍結のことである。人によってはそれを『ceasefire』、『停戦』と呼ぶ者もいる。しかし、私たちはそれを経験してきたのだ。その戦争における一時停止は、(実際は)戦争の停止ではなく、プーチンのための停止なのだ」と発言した。

同氏はまた、プーチンには戦力増強のためにそのような停止が必要だと指摘した。さらに同氏は、「彼ら(編集注:ロシア)には、ミサイルが不足しており、彼らはそれをイランから購入しようとしており、北朝鮮からはすでに獲得している。彼らには、榴弾砲砲弾の不足があるが、彼らはそれを北朝鮮で得ており、イランでもだ。その停止は彼らに必要なのだ。なぜなら、彼らには経験を積んだ軍人が不足しているからであり、なぜなら彼らはそれを私たちの領土で失ったからだ。彼らには、将校も訓練を受けていない軍人も不足している。その一時停止は、プーチンにとって有利だ」と強調した。

その際同氏は、ロシアはすでに類似の行動を行ってきたとし、2014年にウクライナ東部の紛争を実質的に凍結したら、それはロシアに兵器・兵力を増強させる機会を与え、その後同国はウクライナに全面侵攻してきたことを喚起した。

そして同氏は、「そして、彼は、それ(編集注:停戦を使った戦力増強)をもう一度行えると思っている。なぜなら、ノルマンディ・フォーマットやミンスク・プロセスでは、誰も保証をもたらさなかったからだ。ロシアが結ぶ約束を守らないことに対して誰も責任を取らないからだ。少なくともプーチンが大統領である内は」と発言した。

写真:大統領府