マリウポリからロシアへ連れ去られたウクライナ青年、ゼレンシキー宇大統領に帰還支援を要請

動画

ウクライナ東部マリウポリからロシア領に連れ去られた17歳のウクライナ国民で孤児のボフダン・イェルモヒン氏が、動画にてゼレンシキー宇大統領に対して、ウクライナへの帰国支援を要請した。

9日、イェルモヒン氏の弁護士を務めるカテリーナ・ボブロウシカ氏がフェイスブック・アカウントに動画を掲載した

イェルモヒン氏は、動画にて、「私、ボフダン・イェルモヒンは、今ロシア領におり、ヴォロディーミル・オレクサンドロヴィチ(編集注:ゼレンシキー大統領の父称)、あなたに、私の帰宅を支援するようお願いします」と話している。

弁護士もまた、ゼレンシキー氏に対して、児童のウクライナへの帰還を大統領本人が監督して実現することを要請した。

これに先立ち、7日、ボブロウシカ氏は、ウクルインフォルムの記者に対して、マリウポリからロシアに連れ去られたイェルモヒン氏が11月19日に18歳を迎えるところ、ロシア軍事委員会の召集令状を渡されたと伝えていた

同氏によれば、イェルモヒン氏は、2022年7月以降、複数の手段でウクライナへの帰国を試みたけれど、うまくいかず、他方で、ロシア政権は同氏にロシア国籍証明書を発給したという。

2023年4月19日、ボブロウシカ氏は、米国議会の委員会の1つでスピーチを行い、イェルモヒン氏の問題を報告。

今年7月、ウクライナの記者たちが、ロシア軍が31人のウクライナ児童をロシアに連れ去り、「新しい家族」の「養子」にしたことを報告する動画「スピソク31」を公開。その31人の中には、ボフダン・イェルモヒン氏の名前も入っていた。

なお、国際刑事裁判所(ICC)は、2023年3月17日、プーチン露大統領とリヴォヴァ=ベロヴァ児童問題露大統領全権には、少なくとも2022年2月24日以降、ウクライナの占領地から、子どもをはじめ、住民の不法追放と不法移送という戦争犯罪の容疑があるとし、両名の逮捕状を発出している