「ロシアは戦略的にも作戦的にも戦術的にも敗北した」=ミリー米統合参謀本部議長

米国のミリー統合参謀本部議長は14日、ウクライナは戦場で不屈の精神とイノベーション的戦術を組み合わせて戦っていると賞賛し、これに対してロシアは多大な兵力を投入し消耗戦を仕掛けているが、ロシア軍人は士気が低く、指揮もあまり良くないと指摘した。

ミリー米統合参謀本部議長がブリュッセルで開催されたウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合(ラムシュタイン会合)後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ミリー氏は、ロシアはすでに新たな攻勢を開始しているが、それはドンバスにて「非常に緩慢な前進」、ロシア軍人の低い士気、あまりよくない指揮を示していると発言した。同時に同氏は、ロシアは多大な犠牲を伴う消耗戦を行っているが、ロシアには人的リソース(兵力)があり、動員兵が前線に到着し続けていると指摘した。

また同氏は、ロシアは「グローバルな除け者」になったと強調した。

さらに同氏は、「端的に言えば、ロシアは敗北したのだ、戦略的にも、作戦的にも、戦術的にもだ。そして、ロシアは戦場で極めて多大な代償を払っている」と指摘した。

その他同氏は、過去数か月で国際パートナーたちは、ウクライナに対して、戦車、防空システム、弾薬を提供することにコミットしたとし、「11か国が戦車を提供し、22か国が歩兵戦闘車を、16か国が火砲弾薬を、さらに9か国が防空システムの弾薬を提供している」と発言した。

そして同氏は、ウクライナ軍は戦場での効果的戦果を達成するために、戦車、歩兵戦闘車、榴弾砲の能力を使えるようになると指摘した。また同氏は、ウクライナ軍人が「比類なき創造性」を示しているとし、彼らが戦争の尋常でないダイナミズムに適応していると賞賛した。同氏は、ウクライナ人は不屈の精神とイノベーション的戦術を組み合わせていると指摘した。

その上で同氏は、国際社会は今後もウクライナに必要な武器を提供しつつ支援を続けるとし、「ウクライナは1人ではない。ウクライナが自己と国際的行動ルールを定める原則を守れるだけの能力を確保するために、54の国が今日ここに集まったのだ」と強調した。

なお、14日、ブリュッセルにて、ウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合(ラムシュタイン会合)が開催されていた。