85%のウクライナ国民、平和のための領土の妥協を否定

世論調査

ウクライナで行われた新たな世論調査の結果、ウクライナ国民の85%が平和達成のための領土面でのロシアへの妥協はどんなものも看過できないと考えていることがわかった。

キーウ国際社会学研究所が2022年12月4日から27日にかけて実施した世論調査の結果を公開した

「ロシアとの平和達成のためにあり得る妥協について、あなたが最も同意する意見を選べ」との設問に対して、「どのような状況下であっても、たとえそれによって戦争が長引き、独立の維持に脅威が生じるのだとしても、ウクライナは領土を一切断念するべきではない」との回答が85%を占めた。これに対して、「できるだけ早い平和の達成とウクライナ独立維持のためには、ウクライナはいくつかの自国領を断念し得る」との回答を選んだのは8%だけだった。

解説では、「9月には、妥協は受け入れられないとの意見が87%だったが、今回の結果との差は、統計的誤差の範囲である。つまり、実施的には変化はないということだ。また、9月にも、現在と同じ割合(8%)の人が、協議を支持し、一定の領土の断念の準備があった。同時に、現在、領土の妥協を支持しない人の割合は、少しながらも、2022年5月時点の結果よりも高くなっている」と指摘されている。

さらに、今回の世論調査では、西部(88%)、中部(87%)、南部(82%)、東部(80%)の全ての地域で、圧倒的多数の住民がいかなる領土的妥協にも反対していることが示されている。東部では妥協に反対が80%、妥協の準備ありが9%、南部では妥協反対が82%、妥協準備ありは10%に過ぎなかった。

また、主要使用言語の分類でも、全てのグループ(ウクライナ語、両言語、ロシア語)で圧倒的多数が領土的妥協に反対していた。

キーウ国際社会学研究所のアントン・フルシェツィキー氏は、今回の結果につき、ウクライナ人は過去10か月間の疲労させられる残酷な戦争を受けてなお、強靭さを維持しており、「侵略者をなだめるために領土面の妥協が必要」とのナラティブを拒絶していると指摘した。

今回の世論調査は、キーウ国際社会学研究所が2022年12月4日から27日にかけて、CATI方式(computer-assisted telephone interviews)で、2022年2月24日までに占領されていた地域を除くウクライナ全土で18歳以上の住民2005名を対象(2月24日以降にウクライナを出国した者も対象外)に実施したものであり、理論的誤差は最大±2.4%となると発表された。