ウクライナ軍、クレミンナ解放に関しては公式発表を待つよう呼びかけ

ウクライナ軍東部戦力のチェレヴァティー報道官は28日、東部ルハンシク州のクレミンナ解放に向けてウクライナ防衛戦力は活動しているが、詳細は軍参謀本部の公式発表を待つべきだと発言した。

チェレヴァティー報道官がテレビ番組出演時、米ニューヨークタイムズによる、ウクライナ軍がクレミンナ解放で成果を上げているとする情報にコメントする形で発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

チェレヴァティー氏は、「私が言えるのは、ニューヨークタイムズは非常に権威あるメディアであり、彼らには良い情報源があるものの、その方面ではすでに一定期間、空挺強襲部隊を含む、私たちの部隊の強力な活動が続いているということであり、思うに、そこで著しい結果が達成されたら、私たちは必ず社会に報告する。今のところは我慢し、公式発表を待つべきだ」と発言した。

また、ロシア軍指導部によるクレミンナからルビージュネへの移動の決定に関する質問に対しては、チェレヴァティー氏は、「それは彼らのウクライナでの複数の敗北を経る中での伝統的な実践であり、彼らの虚勢が剥げ落ちたのであり、彼らは、自分たちにとって良くない結果になるかもしれないと理解すると、自らの指揮所、補給センターを移動させている」と発言した。

その他同氏は、クレミンナとスヴァトヴェの解放は、ルハンシク州解放へとさらに進むことを可能にするという軍事的意味があるとし、同時に士気、心理の面でも大きな意味を持つと発言した。加えて同氏は、ロシアはドネツィク州とルハンシク州の一部を自国領だと発表したのであり、それらの土地の解放はクレムリンにとって痛みを伴うものだと指摘した。

年内のクレムリンのドネツィク州の西方州境への到達の意図に関して、同氏は、敵は最大限努力しており、新たな傭兵を戦争に加えていると強調した。そして、「バフムート方面とアウジーウカ、ルハンシク州のヴフレダル方面で失敗している一連の行動を背景に、彼らは何らかの中間的な成果を必要としており、彼らは全力を投入しているのだ。特に、ヴフレダル方面のステプネでは、私たちは、民間軍事企業『ワグナー(ヴァグネル)』以外に、ショイグ露現国防相系の民間軍事企業『パトリオット』が現れたのも気付いている。彼らが何らかの結果を達成しようとあらゆる戦力を寄せているのははっきりしている」と発言した。

バフムート周辺の状況に関して、同氏は、ロシア占領軍は多くの損耗を出しているものの、他方で常に新たな兵力を投入もしていると指摘した。また同氏は、「そこでは戦争の最も強力なダイナミズムが残っている。私たちの戦士は英雄心と忍耐を示しながら、敵を抑えている。敵は防衛システム突破を強く望んでいるが、私たちの戦士はそれを許していない」と報告した。

これに先立ち、ニューヨークタイムズ紙は、ウクライナ軍がクレミンナ解放に近づいていると報じ、同市の脱占領化はルハンシク州のシェヴェロドネツィク、リシチャンシクへの主要な道をウクライナ軍がコントロールすることになると指摘していた