「協議はロシアとの和平へ向かう最初の一歩ではなく、最後の一歩」=イェルマーク宇大統領府長官

ウクライナのイェルマーク大統領府長官は、ロシアとの間の和平協議の実施は平和へ向かう上での最初の一歩ではなく、最後の一歩だとし、まずはロシアがウクライナ側の提示した各種条件を履行せねばならないと指摘した。

イェルマーク大統領府長官が英エコノミスト誌にコメントを寄せた

イェルマーク氏は、「協議は平和へ向かう上での、最初の一歩ではなく、最後の一歩だ。平和とは、単なる戦闘の不在のことではない。そのため、西側の政治家の一部による、ウクライナに平和が訪れる前に、まず交渉のテーブルにつくことが必要だという考えは、根本的な誤りである」と指摘した。

同氏はまた、ロシアがウクライナの主権国家として存在する権利を認めるより前に、双方に対話へ向かうよう呼びかけるのは馬鹿げていると主張した。

同氏は、「西側の国々がロシアの侵略抑止、彼らへ懲罰の効果的メカニズムを作り出さないままで、彼らに国際法の義務を履行させようとしている中では、どのような協議も、ロシアに外交を武器として使わせ、次の侵略の準備のための休止を与えることになる」との確信を表明した。

さらに同氏は、ゼレンシキー宇大統領がG19諸国に対して提示した10項目からなる「平和の公式」を喚起した。

同氏は、「戦闘の終了を確認するために対座するというのはそのリスト(変種中:ゼレンシキー大統領の平和の公式)の最後にある。他に先に行われねばならないものが9項目あり、それら全てが国連憲章の原則と国際法の規範に基づいている」と指摘した。

その他同氏は、その項目の内、核安全保障と食糧安全保障、ロシアのエネルギー売却を通じた国家収入の制限、ウクライナの重要インフラを守るための防空・ミサイル防衛の強化、環境面の安全、被拘束者の解放・追放された住民の帰還、正義の執行などが優先課題だと強調した。

同氏はまた、「目的の1つは、ロシア軍の全ての国際的に認められたウクライナ領土からの撤退と戦闘の完全停止である。それを達成するには、ウクライナには戦場での優位と民間インフラの安全を確保するための恒常的な軍事的・技術的支援が必要である」と発言した。

同氏は、パートナー国からの支援に謝意を述べつつ、譲歩を提案する者に対しては、ウクライナの人々の声をもっとよく聞くよう、そして双方に対して戦争を止めるよう呼びかけることを止めるよう要請した。

写真:大統領府