ロシア占領政権、コリハイェウ・ヘルソン市長を拉致

ロシアによる占領下にあるウクライナ南部の主要都市ヘルソン市のイーホル・コリハイェウ市長が、28日、ロシア占領政権に拉致された。

市長の広報を担当するリャシェウシカ氏がフェイスブック・アカウントにて伝えた

同氏は、「彼らはイーホル・コリハイェウ氏を拉致した」と書き込んだ。

ウクルインフォルムの記者が明らかにしたところでは、コリハイェウ氏は拉致された際には、市の執行委員会職員が働いている職場にいたという。同氏は、手錠をかけられた上で連れ去られたという。

また、リャシェウシカ氏は、コリハイェウ氏の拉致は、同氏がロシア占領政権との協力を拒否していたからだと発言した。同氏は、「コリハイェウ氏の逮捕が彼らの占領政権との協力拒否と関係していることを、私は確信している。数日前、コリハイェウ氏は、『新しく任命された市長』(編集注:自称首長)から書簡を受け取っていた。そこには、その人物から彼に対して、将来の『連携の組織』についての協議をするために、会談への招待が書かれていた。その会談を拒否したら、逮捕の脅迫が行われるようになった。コリハイェウ氏は逃げなかった。私たちは皆安全なところにいる。皆ショックを受けている。私は、イーホル・コリハイェウ氏の命を心配している」と書き込んだ。

同氏は、コリハイェウ氏は車を出たところを武装したロシア親衛隊と(おそらく)ロシア連邦保安庁(FSB)職員に拘束されたと伝えた。

彼らは、コンピューターからハードディスクを抜き取り、金庫を全て開け、書類を探していたという。その際、コリハイェウ氏は別の部屋で手錠をかけられたまま、武装した人物の近くで拘束され続けていたとし、その後、「Z」の書かれたバスに乗せられ、連れ去られたとのだという。

なお、コリハイェウ・ヘルソン市長は、ロシアがヘルソン市を占領してからも、自らの忠誠心に従って行動しているとし、ヘルソン市を去らないと発言していた。

ロシア占領政権が4月25日にはヘルソン市庁舎を占拠した後、コリハイェウ氏は一部の職員とともに別の場所で市の運営を継続していた。

なお、タシェヴァ・クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表は6月6日、ロシアに占領されているウクライナ南部では占領政権により600人近くが拘束されていると報告していた