マリウポリ市民の避難は砲撃継続により実現できず=ウクライナ副首相

ウクライナのヴェレシチューク副首相兼一時的被占領地再統合相は21日、マリウポリ市からの避難用の人道回廊は、集合場所近くにて砲撃が始まったため、回廊は機能しなかったと発言した。

ヴェレシチューク副首相がフェイスブック・アカウントにて伝えた

ヴェレシチューク氏は、「マリウポリに関しては、喜べる話はない。全て非常に緊張している。ロシア側からの全てのことが、非常に複雑で混沌としており、緩慢で、そしてご存知の通り、不正直である。昨日人々が初めてマリウポリからザポリッジャまで直接出発したこと(昨日マリウポリから出発した4台のバスのことだ)は希望を与える。今日避難を待っていたマリウポリ市民の方々には謝罪する。集合場所で砲撃が始まり、それにより回廊は閉じざるを得なかった」と発言した。

同氏はまた、マリウポリ市民に対して、ウクライナ政権は、何らかの可能性が生じるまで、人々を助け出す試みを止めることはないと約束した。

さらにヴェレシチューク氏は、22日、テレグラム・チャンネルにて、マリウポリの避難をめぐる状況の追加説明を行った

同氏は、「アゾフスタリには、私たちの軍人と約1000人の民間人がいる。降伏用の回廊が時々生じる。ロシア人がそのような回廊を設置するのだが、しかしその回廊は私たちには必要ない。なぜなら、私たちの軍人は、彼らに投降したがっていないからだ。民間人の戦闘圏からの避難用の人道回廊も時々ある。私たちは、そのような回廊がアゾフスタリから必要だ。女性、子供、高齢者をそこから避難させるためである。ロシア側は、(編集注:アゾフスタリにいる)民間人のための回廊開設を拒否している。その際、彼らは冷笑的に、軍人への降伏用の回廊と、民間人避難用の人道回廊の違いがわからないかのようなふりをしている。彼らは全てわかっているのだ。彼らは、そうやって私たちの軍人に追加的な圧力をかけているのだ」と説明した。

加えて、同氏は、何人かのロシアの公式の「話者」が「恥ずかしげもなく、あたかも人道回廊が与えられたかが、しかし民間人は何故かその回廊を利用したがらない、というような嘘を口にしているのだ」と強調した。

その上で同氏は、国際報道機関が理解すべきは、ロシアがアゾフスタリへの襲撃を恐れていること、同時に、アゾフスタリから民間人を避難させることは拒否しており、それによってウクライナ軍人に圧力をかけていることだと書き込んだ。

そして、同氏は、各国首脳たちに対して、アゾフスタリからの「民間人用の人道回廊」の開設のために速やかにあらゆる努力を行って欲しいと要請した。

写真:Stringer, Anadolu Agency