マリウポリの防衛によりウクライナ軍は他方面のための時間が稼げている=宇国防省

ウクライナのモトゥジャニク国防報道官は、マリウポリの防衛戦が続いていることにより、ロシア軍は同市から部隊を退けることができずにいると指摘した。

モトゥジャニク報道官がRBCウクライナ通信へのインタビュー時に発言した

モトゥジャニク氏は、「彼ら(ロシア軍)は、マリウポリから戦力を下げることができない。なぜなら、今もまだ同市全体をコントロール下には置けていないからだ。そこは、私たちの軍人が防衛している。今、マリウポリは、激しく敵を苛立たせている。同市を英雄的に防衛することで、私たちは、多方面で十分に準備するための時間と機会を得られているのだ。また、重要なことは、マリウポリの防衛のおかげで、私たちは、ロシアが攻めてきた多くの作戦方面にて著しい決定を達成できたことである。多くの方面で、私たちは、反攻も行ったし、そのおかげで、複数の自治体がロシア占領者から解放された」と発言した。

さらに同氏は、現在マリウポリは、包囲されており、恒常的砲撃により甚大な破壊を被っていると述べ、同時に、ウクライナの防衛者たちは、同市を維持していると発言した。

同氏は、「防衛しているのは、アゾフ連隊隊員、ウクライナ国家警護隊の勇敢な隊員たちだ。それから、私たちの海兵。そして、ウクライナ軍の領土防衛部隊隊員。彼らも市の防衛に参加している。皆が頑張っており、例外的な勇敢さと英雄心を示している」と発言した。

なお、現在、ロシア侵略軍がウクライナ東部マリウポリを包囲し続けており、これにより同市の人道状況が著しく悪化している他、同市を防衛するウクライナ軍人の戦況も悪化を続けている。

アレストヴィチ宇大統領府長官顧問は3月18日、現時点でロシア軍による東部マリウポリ市の包囲を解除することは不可能だとし、ウクライナ政権は政治・外交的手段の作業をしていると発言した。

さらに、ゼレンシキー大統領は4月16日、ロシアがマリウポリを防衛しているウクライナ軍人に投降することを提案しており、命の保証を約束しているが、実際には、2014年のイロヴァイシクの時のように、ウクライナ軍人を銃殺したがっている可能性は排除できないと発言している。

18日、現在拘置されている、プーチン露大統領に近いウクライナの政治家、ヴィクトル・メドヴェチューク容疑者は、ゼレンシキー宇大統領とプーチン露大統領に対して、自身とマリウポリで戦闘するウクライナ軍人、と同市市民の交換を提案していた。

また、ゼレンシキー大統領は20日、ロシア軍による包囲の続く東部マリウポリにつき、現時点でいつ同市を解囲できるかはわからないが、ウクライナはどのような形の被拘束者交換も行う準備があると発言していた

写真:Stringer, Anadolu Agency