ウクライナ大統領府長官、ロシアとの協議から期待するものに言及

ウクライナのイェルマーク大統領府長官は22日、ウクライナはロシアとの協議プロセスにて、停戦、ロシア軍撤退、国際的に認められた国境内での自国領管理の回復に関する協議の開始につき合意に至ることを期待していると発言した。

イェルマーク宇大統領府長官が英王立国際問題研究所(チャタムハウス)のオンライン会議にて発言した。ウクライナ大統領府広報室が伝えた

イェルマーク氏は、「私は、その合意が何よりも攻撃・爆撃の停止、ロシア軍の2022年2月23日の領域までの撤退を定めること、それから私たちの領土の回帰、国際的に認められた国境での領土へのウクライナ政権の完全な管理回復に関するその他の問題の協議・対話が始まることを期待している」と発言した。

さらに同氏は、そのような合意はまたウクライナにとっての新しい安全保障システムの構築を定めなければならないとも発言した。

加えて同氏は、「私たちは、この戦争ができるだけ早く終わって欲しいと強く思っている。私たちの国益にのみもとづいた合意によって終わることだ。私たちが失うのではなく、私たちが得ることで(終わること)だ。何よりも私たちが新しい安全保障システムを得ることで(終わること)だ。これ以上待ったり考えたりする時間はない。その決定を遅らせるための時間はもうない」と主張した。

同時に同氏は、ウクライナの独立、主権、領土一体性に関しては一切の譲歩はあり得ないと発言した。

また同氏は、「私たちは、いかなる問題についても話す準備がある。私たちは会う準備がある。それらの問題は解決せねばならない。それら問題に対して目を閉じてはいけない。ドンバス問題、クリミア問題、なにより停戦問題、ロシア軍のウクライナ領からの撤退問題だ。これら全てが協議対象とならねばならない。なにより、ウクライナ大統領とロシア大統領の協議対象とならねばならない」と強調した。

同氏はさらに、ウクライナ代表団は、その首脳会談が実現するよう毎日24時間体制で活動していると指摘し、「強力な作業が続いており、その作業には、特に私たちのパートナーが参加している。そのため、間違いなく。協議も合意も停戦への最短距離である」と発言した。

これに先立ち、2月24日のロシアによる対ウクライナ全面的侵略開始から、ウクライナとロシアの代表団は、2月28日、3月3日、3月7日、3月14、15日に協議を行っている。

ポドリャク大統領府長官顧問は16日、ウクライナの将来の安全保障に関するコンセプトを説明し、ウクライナの安全の絶対的な保証が必要だと発言。また、ゼレンシキー大統領は17日、ロシアとの協議における優先課題は、戦争の終結、領土一体性の回復、安全保障だと発言した。イェルマーク大統領府長官は19日、ウクライナ人に最後通牒や降伏を求めても無駄であり、独立、領土一体性、主権に関してウクライナが譲歩することは決してないと発言している

写真:大統領府