ウクライナ国防相、武装集団「DPR」「LPR」戦闘員に投降呼びかけ

ウクライナのレズニコウ国防相は22日、一時的被占領下ドネツィク・ルハンシク両州一部地域の住民に対し、ウクライナ軍へ投降をするよう呼びかけた。

レズニコウ国防相がフェイスブック・アカウントに同地住民向けのメッセージを掲載した

レズニコウ氏は、「クレムリンは、『あなた方を守らなければいけない』という言葉でごまかしながら、全面的戦争を始めた。その『保護』という言葉が実際にはどういうものだったか、あなた方は、私よりよく知っているだろう。(中略)あなた方は、3週間のエスカレーションで、自分の町にすでに何百人の死者が出ていることを私よりよく知っているだろう。一般人の死者であり、工場や炭鉱から連れ去られ、機関銃を渡され、銃弾にさらされた人々だ。過去数日、ウクライナ軍は、ロシア占領軍が無理矢理動員し、砲弾の餌食として戦闘に放り出した人々を、以前より頻繁に捕虜にしている。私たちもあなた方も、暴力的動員の規模が拡大していることを知っている。『DPR』『LPR』で動員された者は、ロシア軍の損失の統計には含まれない。なぜなら、モスクワにとってあなた方は消耗品だからだ。彼らにとって、あなた方は存在しない。もうすぐCADLR(編集注:ドネツィク・ルハンシク両州一部地域)住民の死者数は数千人となる」と書き込んだ。

レズニコウ氏はさらに、現在ロシア侵略者は、「保護者」を自称しながらマリウポリを破壊していると強調した。

同氏は、「ロシア人はもう、ヴォルノヴァハやその他複数の町を地表から消し去った。ルハンシク州では大破壊が起きている。モスクワの群れどもは、学校、病院、道路、企業から『解放』している。ドネツィク・ルハンシク両州をドネツィク人、ルハンシク人から『解放』している。ウクライナの華やかなドンバスの代わりに死せる砂漠が残るだけでも、彼らにとっては全くもって構わないのだ。しかし、あなた方も、それで良いのだろうか?」と書き込んだ。

また同氏は、現在、ロシア侵略軍の計画はくずとなっており、すでに1万5000人のロシア兵が殲滅されたと書き込んだ。そして、ロシアがこの戦争に負けた際には、同国は混沌に陥るだろうとし、その際ロシアは一時的被占領地の住民のことは絶対に相手にしないと指摘した。

その上でレズニコウ氏は、「私たちは、これまで同様、あなた方をウクライナ国民とみなしている。私たちは、あなた方を自分たち側の者とみなしている。もしあなたが犯罪を行っていないのであれば、あなたには何の脅威もない。何らかの見解相違については、後で確認しようではないか。私たちの国は、異なるウクライナ人で構成されており、私たちは互いの違いを認め合うことができる。なぜなら、私たちは自由な民なのだから。ただし、私たちは一つだ。あらゆる手段で暴力的動員を回避するようにしてくれ。それがあなたの命を守ることになる。あなた方がそれでもロシア軍へと入れられたら、できるだけ早くウクライナ軍側へ移動するようにしてくれ。武器を置いた者は皆安全だ。私たちは、あらゆる形式的な確認を行う。重要なのは、取り返しのつかないことを回避し、命を守ることだ」と強調した。

さらに同氏は、すでに罪を犯したが、しかし助かりたい者は、降伏しなければならないが、それは早くすべきだと指摘し、また心からの後悔があれば、それは考慮されると補足した。

また同氏は、「もしあなたが機材とともに投降したり、ロシアの将校を捕虜とするのを手伝ったりすれば、減刑が期待できる。それは過去8年あなた方を慣らし付けた茶番裁判ではなく、正義の裁判となる。罪を犯した者は、刑期の後に、通常の生活に戻れる。私たちには、占領者から土地を浄化した後に、ドンバス再建のために労働力が必要だ。あなた自身は、あなたの家族、近親者にとって必要な人間だ。これは、あなたのチャンスなのだ」と書き込んだ。