プーチン氏にはウクライナ侵攻作戦の問題の全体像が伝わっていないおそれあり=ベリングキャット代表

オンライン上の公開情報の分析調査で知られる民間調査グループ「ベリングキャット」のグロゼフ代表は、プーチン露大統領にはロシア軍のウクライナ侵攻作戦における問題の全体像が伝わっていないとの見方を示した。

グロゼフ氏は、プーチン氏にはロシア軍のウクライナにおける問題の全体像が届いてないとの見方を示し、「例えば、ほぼ100%の住民がロシア占領軍に否定的に接しているという事実は、おそらく、彼に届いていない。なぜなら、垂直構造にいる人々が彼にそのようなことを報告することを恐れているからだ」と発言した。

またグロゼフ氏は、プーチン氏が、ロシア軍が非常に高価なミサイルでヴィンニツャ空港を攻撃したことを知った時に、かなり激昂したのだと伝えた。「現在、そこ(編集注:ロシア政権内部)で何が起きているかを以前より頻繁に伝えてくれる内部関係者がいる。例えば、おととい、彼らは私たちや外国のメディアに対して、ロシアにあまり備蓄のない、8つの非常に高価なミサイルがヴィンニツャ市へと発射されたことが報告された後、プーチンは激怒したという。なぜなら、彼は、その前に、そのミサイルは最も高価であり、ロシアには1000個未満しかないという報告を受けていたからだ」と発言した。

加えて同氏は、ロシアのプロパガンダは現在ロシア国内の視聴者には非常に効果的に機能しているが、国外視聴者に対しては、その影響力は「ほぼゼロ」だと指摘した。同氏は、「それが2014〜2015年と比べた際の主な違いだ。当時は、彼ら(ロシア)は、西側、世界の人々の見方に、ある程度影響力を及ぼすことができていた。例えば、彼らが、反米的志向をどうにかして親露志向にしたいと思った時などだ。他方で、現状は、欧州にそれら偽情報を信じる可能性のある普通の人間は一人もいない」と指摘した。