リヴィウでの米国BLM運動を伝える書籍の発表会が脅迫を受け中止に

リヴィウでの米国BLM運動を伝える書籍の発表会が脅迫を受け中止に

ウクルインフォルム
ウクライナの出版社「チョーヴェン」は、オクサーナ・ブリュホヴェツィカ氏による、米国での人種差別に抵抗する抗議運動について分析した書籍『BLMの声』(原題「Голоси BLM」)のリヴィウでの発表会を中止したと発表した。

出版社がフェイスブック・アカウントで中止を決定した経緯を報告した

出版社は、「オクサーナ・ブリュホヴェツィカ氏の研究書『BLMの声』のリヴィウでの発表会を巡って生じた状況を受け、私たちはイベントの中止を決定せざるを得なかった。過去数日間、ソーシャルメディアにおいて、予定されていたイベントに関して、著者と出版社に対する無数の残忍で人種差別的で憎悪に満ちたコメントや脅迫を受け取っていた」と伝えた。

出版社はまた、「これらの人々がどこから来て、なぜこれを書いているのかを理解するのは困難であった。コメントの中には多数のボットもいたが、完全に現実のウクライナ人、リヴィウ市民もいたし、私たちが個人的に知っている人もいた。彼らの誰もが本を読んでおらず、著者が本を書いた文脈、そしてこの研究がロシアの対ウクライナ侵略の最中にウクライナの読者にとってなぜ重要なのかを理解していない。(私たちは皆、今日、複雑な米国の国内のプロセスを理解せずには、戦時下で今とても必要な米国の社会的・政治的な支援を期待することはできないということを認識すべきなのだ。)全ては、イリーナ・ザルツィカ氏の悲劇と、彼女を殺人した者が黒人の米国人であったという事実による印象操作に帰結していた」と説明した(編集注:8月末に米国にてウクライナから避難してきていたウクライナ国民イリーナ・ザルツィカ氏が殺害された事件のこと)。

同社はさらに、『BLMの声』は2024年秋に執筆され、今年7月の初めに出版されたのであって、書籍と米国で8月に起こった悲劇を結びつけるような人物は、挑発目的の者か、印象を簡単に操作される人々のいずれかだろう、あるいはこれらの人々は本当に、他者を異なる要素、特に肌の色によって憎むような人物なのだろうと指摘した。そして同社は、「最初、私たちはオンラインの攻撃が現実に続くことはないと思っていたが、その後、脅迫の電話がかかり始めたのだ…。保安庁リヴィウ州局の職員が本件に徹底的に対処してくれることを期待している」と強調した。

同時に同社は、「イベントの中止を実現した人々は、自分たちが勝利したと考えるだろう。しかし、実際は違う! 私たち全員が敗北したのだ。なぜなら、『声』の登場人物たちの物語は、尊厳、自分らしくある権利のための闘いの物語だからである。肌の色の違いが誰かの目に障るとしても、この点で私たちはアフリカ系米国人と非常に似ているのだ。もし近いうちに世界のメディアで、ウクライナ人が外国人嫌悪者、人種差別主義者、反ユダヤ主義者の国民だと描かれたとして、このような状況が起こる度に、ウクライナの友人や支持者にとってそれを否定するのが難しくなることを覚えておくべきだ。なぜなら、尊重と尊厳は、他者を侮辱することによって形成されるのではないのだから」と訴えた。


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