
マリウポリでロシア軍に破壊されたウクライナ美術家アラ・ホルシカのモザイク壁画作品が再現される
公共放送「ススピーリネ・キーウ」が報じた。
このモザイク壁画は15人の現代アーティストと研究者によって、細部まで正確に再現されたもの。チームはこれを3か月かけて組み立てたという。
オリジナルを最大限正確に再現するために、不透明なコバルトガラスや様々な色のタイル、金属板やアルミニウムのスプーンに至るまで、国内外の様々な場所から700キログラム以上の材料が集められたという。

再現に携わったアーティストのテチャーナ・バクム氏は、「非常に面白い作業だった。私は、いくつかのパーツを担当した。全て分割され、モザイクは複数のピースに分けられ、私は4つのピースを扱った」と伝えた。
ホルシカの孫であるオレーナ・ザレツィカ氏は、モザイク壁画「ボリヴィテル」は、マリウポリのレストラン「ウクライナ」にあったと回顧した。
ザレツィカ氏は、「1967年、ホルシカとザレツィキーがマリウポリへ行った。その頃、モニュメンタル・アートの大きなムーブメントが生じていた。彼らは、『ボリヴィテル』と『生命の樹』の2つのモザイク作品の注文を受けた。彼らは、多くの実験を行った。アナt型は、この再現されたモザイク作品にアルミ板やステンレス製のスプーンが使われているのを見ることができる。この金属の輝きがモザイクに軽やかさと繊細さを与えているのだ」と発言した。
そして同氏は、ホルシカは1970年に殺されたことを喚起した。レストランは長らく閉鎖されていたため、そのモザイク作品を目にした者はとても少ないという。2022年、ロシアの侵攻によりそのモザイクは破壊されており、現在その作品がどうなっているかはわからないという。

さらに同氏は、「私たちはこの春、ソ連時代のコバルトガラスを見つけ、ウクライナの製造業者にソ連時代のコバルトガラスの模造品を注文した。美術史家やマリウポリのモザイクの研究者からの助言も受けた。モザイク作品がこのように部分ごとに解体可能になっており、町へと運び、組み立てて設置できるようになったのは今回が初めてだ」と伝えた。
プロジェクトチーム「モザイクの守護者たち」は、マリウポリが解放され、そこにホルシカのモザイク作品を再現することを望んでいるという。寄付を通じて、彼らの活動を支援することができるとも説明された。
プロジェクトは、ロゼトカ社、市民団体「ウクライナWOW」、アラ・ホルシカ/ヴィクトル・ザレツィキー基金が共同で立ち上げたものだという。

写真:キリロ・チュボチン/ウクルインフォルム
この再現された作品「ボリヴィテル」は、6月22日まで、キーウ市内のフレシチャーティク20−22の住所にて展示される。その後作品は、ウクライナと世界への展示ツアーへと送り出されるという。
これに先立ち、2024年3月21日から4月28日にかけて、キーウの展示会場「ウクライナの家」にて、「アラ・ホルシカ ボリヴィテル」展が開催されていた。