
欧州を「信頼できる同盟者」だと考えるウクライナ人は64% 米国は32%
キーウ国際社会学研究所が5月15日から6月3日にかけて実施した世論調査結果を発表した。
発表には、「大半のウクライナ人(64%)は、欧州は、ウクライナにとって受け入れ可能な戦争の終結を望む、信頼できる同盟国であり続けていると考えている。そう思わないとの回答は24%だ。なお、2025年2、3月から欧州の対ウクライナ政策の受け止めは変わっていない」と書かれている。
また研究所は、米国に関しては、状況がほとんど正反対だと指摘している。2025年3月時点の調査時からは、米国の対ウクライナ政策に関する受け止めは若干改善しているものの、それでも回答者の58%が「米国はウクライナに疲れており、彼らの支援は弱くなり、彼らは譲歩のためにウクライナに圧力をかけている」と答えたという。米国を、ウクライナにとって受け入れられる平和を望む「信頼できる同盟国」だとみなすとの回答は32%だった。

また、2024年12月時点では、54%の回答者がトランプ米大統領に対して楽観的な期待を抱いていたのに対して、翌年3月の調査時には73%が反対に、トランプ氏が米国大統領であることはウクライナにとって悪いと回答したと説明されている。
研究所は、「2025年5月〜6月初旬時点で、トランプ氏の受け止め方は変わっていない。今のところ72%の回答者が、トランプ氏が米国大統領であるのはウクライナにとって悪いと考えている。16%だけが、それを良いことだと思っている」と指摘した。

同時に、63%のウクライナ国民は、米国全体については引き続き肯定的感情を抱いており、否定的感情は29%だったという。研究所は、「私たちが一般の米国民について話しているのか、米国首脳陣について話しているのかによって、著しい差がある。例えば、90%が一般のアメリカ人に良い感情を抱いており(悪い感情を抱いているのは3%のみ)、同時に68%が米国首脳陣に悪い感情を抱いている。首脳陣に良い感情を抱いているのは24%である」と説明している。
今回の世論調査は、キーウ国際社会学研究所が実施した独自の世論調査「オムニブス」のもの。今回の調査には、欧州連合(EU)や米国の対ウクライナ政策に対する受け止め方や、トランプ米大統領のウクライナにおける役割の認識、米国/一般米国民/米国首脳陣に対する態度についての質問が加えられたという。
調査は、ウクライナ政府管理下にある全地域に居住する18歳以上のウクライナ国民2004人のウクライナ国民が対象。調査機関は5月15日から6月3日まで。EUと米国の政策への認識は約500人が回答、他の質問は約1000人が回答しており、理論的誤差は約500人回答の場合は最大で5.8%、約1000人回答の場合は最大で4.1%だと説明されている。