
アンカラでソ連によるクリミア・タタール民族追放を喚起する集会開催
ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
チェルニショウ駐トルコ・ウクライナ大使代行は、「ウクライナでは、クリミア・タタール人の追放は公式に人道に対する罪、ジェノサイドと認定されている。そして、世界ではより多くの国が1944年5月18日の悲劇をクリミア・タタール人に対するジェノサイドだと認定している。ラトビア、リトアニア、カナダ、ポーランド、エストニア、チェコだ。それは単なる政治的決断ではない。それは、歴史的責任の行動だ。私たちはそのことにつき、それらの国に感謝している」と発言した。
チェルニショウ氏はまた、ロシアは、2014年にクリミアを占領することで、クリミア・タタール民族が追放先からクリミアへ戻ってきてから行っていた民族・文化復興プロセスを断ち切ったと強調した。

クリミア・タタール民族追放から81年に合わせてアンカラで集会開催 写真:オリハ・ブドニク/ウクルインフォルム
トルコのクリミア・タタール文化相互支援協会のシャヒン会長は、「20か国以上の国で現在暮らしているクリミア・タタール人は、100年以上の戦いを続けている。私たちの民は、非常に強力で強靭だ。私たちは、この戦いを通じて、かつてないほどに強くなっている。トルコは、私たちの国となったが、私たちの故郷はクリミアだ。クリミアは、私たちの心の中に燃える炎だ。私たちは、ウクライナの領土一体性の中でウクライナの人々と一緒に私たちの未来を築けることを信じているし、私たちはそのために闘っている」と訴えた。
集会参加者たちは、今日クリミア・タタール人の代表者等は、ウクライナ防衛戦力の中でロシア占領からの解放に向けた戦いを続けていると強調した。
クリミア・タタール民族代議機関「メジュリス」のメンバーであるユクセル氏は、「私たちは、追放によって亡くなった全ての人のを覚えておかねばならない。私たちはその出来事を記憶しておき、それらについての真実を伝えねばならない。なぜなら、過去を知らない、過去を忘れた、ないしは過去を放棄したネイションは、未来で生き残ることはできないからだ。1944年5月18日に行われたクリミア・タタール民族の大規模追放は、ジェノサイド行為であり、それはウクライナ国家に正式に認定されている。そして、その犯罪には、時効はない」と発言した。

クリミア・タタール民族追放喚起集会に合わせて開催されている展示会 写真:オリハ・ブドニク/ウクルインフォルム
さらに、アンカラ中心部では、クリミア・タタール民族に対するジェノサイドの犠牲者追悼の日に合わせて、展覧会が開催されている。同展覧会では、ルステム・エミン氏による追放をテーマにした絵画の複製が展示されている。エミン氏は、追放、その凄惨さと悲劇を描いた画家の1人であり、飢餓や病気、その他様々な理由で命を落とした人々、クリミア・タタール民族の悲劇を作品にしている。
なお、本日、5月18日、ウクライナでは、「クリミア・タタール民族ジェノサイド犠牲者追悼の日」と「クリミア・タタール民族権利闘争の日」と定められている。この日は、1944年5月18日にソ連政権がクリミア・タタール民族全体をクリミア半島から中央アジアに追放した事件の犠牲者を追悼するために定められている。このソ連の追放作戦は、1944年5月18日午前3時に始められ、6月初旬まで続けられた。最大規模の追放は、5月18日から20日までに行われた。
ゼレンシキー宇大統領は18日、クリミアは、ウクライナ全土同様、自由であるべきで、帝国は常に崩壊するものだと発言している。