モルドバにはまだ政治的リスクがある=ウクライナ専門家
ウクルインフォルム
ウクライナの民間団体「民主イニシアティブ基金」の政治専門家マリアンナ・プリシャジュニューク氏は、モルドバでは与党が議会選挙に勝利したが、同国にはロシアの影響力に対して妥協的な面があるとし、また与党以外の親欧州政党が不在なことも懸念を覚えさせると指摘した。
プリシャジュニューク氏がラウンドテーブル「ウクライナとモルドバ 欧州未来の展望」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
プリシャジュニューク氏は、最近のモルドバ議会選挙において「モルドバがロシアに大勝利を収めた」との見方には与しないと述べ、なぜならモルドバにはまだ、「良いロシア人」に関するナラティブへの寛容性など、ロシアの影響力に対する妥協的なアプローチがあるからだと発言した。さらに同氏は、モルドバの政界に与党PASの他に親欧州政党が不在であることも一定の懸念を覚えさせられるとし、なぜなら同党を率いるマイア・サンドゥ大統領はすでに二期目に入っており、今後それによって新たなリベンジ的な空気を生み出す可能性があるからだと述べた。
加えて同氏は、「さらに悪いことに、ウクライナとモルドバの間には、肯定的な議題が非常に弱いままだ。私たちには共通のリスクあるが、その認識は異なっている。それが問題を生み出している。なぜなら、異なる価値体系が両国の社会を動かしているからだ」と指摘した。
その点で、同氏は、2022年のロシアの全面侵攻開始以降、ウクライナとルーマニアの関係は著しく加速し、活性化し、ダイナミックになり、充実していると指摘した。同氏はまた、ウクライナとルーマニアはモルドバの隣国であり、モルドバにとっては、その地域協力においてのみ建設的な議題があり得るとの見方を示した。
写真:モルドバ中央選挙管理委員会