フォンデアライエン欧州委員会委員長、和平条件につき「ウクライナ軍への制限はあってはならない」
フォンデアライエン欧州委員会委員長がブリュッセルを訪れたゼレンシキー宇大統領との共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フォンデアライエン氏は、「ロシアの侵攻開始から、欧州はウクライナの側におり、結束しており、公正かつ永続的な平和のために必要な限り、私たちはあなた方を支援していく。そして、それは力によって達成しなければならない」と発言した。
また同氏は、強固な安全の保証が平和やウクライナと欧州の死活的に重要な安全保障上の利益を守らねばならないと指摘した。
同氏はさらに、「ウクライナは自国の主権と領土一体性を守る能力を持たなければならない。ウクライナ軍への制限、他国との協力や他国からの支援に制限があってはならない」と述べた。
そして同氏は、「ウクライナ軍への制限は一切だめだ。何度も述べたように、ウクライナは潜在的な侵略者が消化できない『鋼のヤマアラシ』にならなければならない」と強調した。
同氏はさらに、トランプ米大統領がNATO憲章の「第5条に匹敵する」ウクライナへの安全の保証に「貢献する」用意があることを歓迎した。
その際同氏は、「そして、EUを含む有志連合には、自らの貢献を行う用意がある。私たちは、欧州を守るという活動は、何よりもまず自分たちの責任であることを知っている。そして、欧州の防衛能力を増強しているのであり、加速と規模の拡大に懸命に取り組んでいる」と述べた。
同氏はその他、「SAFE」という手段を通じて、EUは加盟国とウクライナの防衛ニーズを調整し、無人機の生産を含むウクライナの防衛産業基盤を強化していると説明した。
また同氏は、欧州はウクライナのEU加盟への道を支援し続けていると伝え、「それ自体もまた安全の保証である」と補足した。
加えて、領土問題に関して、同氏はEUの立場として、「国際的な国境は力によって変更されてはならない。それは、ウクライナが、そしてウクライナだけが下すべき決定である。そして、それらの決定がウクライナの参加なしに下されてはならない」と強調した。
さらに同氏は、「欧州は、ロシアに対する外交的、特に経済的圧力を継続していく。私たちは制裁を強化し続ける。私たちはすでに18の(制裁)パッケージを採択しており、第19次(制裁パッケージ)の準備を進めている。そのパッケージは9月上旬に公開されるだろう。私たちは、制裁が効果的であることを知っている」と発言した。
また同氏は、プーチン大統領を交渉の席に着かせるために、EUはすでに凍結されたロシアの資産をウクライナのために利用しており、ロシア経済に圧力をかけ続けると述べた。同氏は、そのことについて明日、トランプ米大統領と話し合うと補足した。
同氏はその上で、「困難な時である。ウクライナのみが自らの運命を選ぶことができる。しかし、ウクライナは常に欧州に頼って良い」と強調した。
なお、なお、18日、ゼレンシキー大統領は、複数の欧州の首脳と共にワシントンでトランプ米大統領と会談する。ゼレンシキー氏とワシントンへ向かうのは、フォンデアライエン欧州委員会委員長、ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長、スターマー英首相、ストゥブ・フィンランド大統領、マクロン仏大統領、メルツ独首相、メローニ伊首相。
写真:EU