ゼレンシキー宇大統領、議会に汚職対策機関の独立を定める法案を提案すると発言

ゼレンシキー大統領が同日夜の動画メッセージの際に発言した。

ゼレンシキー氏は、「私はウクライナ最高会議に、法秩序システムに力を与える対応となる法案を出す。そして、ロシアの影響やら介入やらが法執行機関の活動にないようにする。そして、非常に大切なこととして、汚職対策機構の独立のための規範は全て含まれる」と強調した。

また同氏は、同日閣僚や法執行機関代表者と会合があったと述べ、「非常に詳細に話し合った。保安庁（ＳＢＵ）、国家汚職対策局（ＮＡＢＵ）、特別汚職対策検察（ＳＡＰ）、内務相、国家汚職防止庁（ＮＡＰＣ）、国家捜査局、検事総長だ。私にとって大切なことは、１人１人が自分の論拠、自らのビジョンを出すことだ。大切なのは、彼らが互いに、長い間蓄積してきたことを伝え合うことだ。チームでの作業に合意したことをとても重視している。今後の共同作業、処罰が不可避であるという感覚、つまりウクライナにおける正義を真に与えることのできる措置についてだ」と発言した。

また同氏は、機関のトップたちが「一緒に行動計画、ウクライナにおける法の力を強めることのできる具体的措置の計画を提案する」ことに合意したと訴えた。

そして同氏は、「皆が、ここ数日人々が話していること、人々がソーシャルメディアや、お互いに通りで話していることを聞いた。それは全て無駄ではない。全ての懸念、変えるべき、活性化すべき全ての側面を分析した」と強調した。

同氏は加えて、「法執行機関、汚職対策機関の長官たちのグループ、検事総長からの、機能するはずの規範の具体的提案を待っている」と述べた。

同氏はその上で、「それは大統領法案となり、私たちはそれを私たちの国家変貌戦略の一環で実現する」と主張した。

これに先立ち最高会議は２２日、ＮＡＢＵとＳＡＰの権限を縮小する法律を採択していた。

同採択後、クリヴォノスＮＡＢＵ局長は、ゼレンシキー大統領に対して、同法が発効すれば「２つの独立機関、ＮＡＢＵとＳＡＰは、事実上、完全に依存状態に置かれてしまう」ため、同法に署名しないように呼びかけていた。

同日、ゼレンシキー大統領は、同法に署名した。

同日、キーウ中心部では、最高会議が採択した汚職対策機関の権限縮小を定める法律に反対する市民が抗議集会を開催し、ゼレンシキー大統領に同法案への拒否権を発動するよう要求していた。

一部の最高会議議員は、同法の審査について憲法裁判所に申し立てをするために、議員の署名集めを行うと発表している。

２３日、ゼレンシキー大統領は、ウクライナの法執行機関トップと会合を行ったとし、「私たちは、皆が建設的にのみ働くことで合意した」と発言。

一方、ＮＡＢＵとＳＡＰは、同会合の際に両機関トップは、前日採択された両機関権限制限法により、両機関の独立が著しく制限されると表明したと発表した。