ロシアは長らく戦争の引き伸ばし戦術を用いている=パヴェル・チェコ大統領
パヴェル大統領がブリュッセルでのルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長との会談後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
パヴェル氏は、ウクライナ支援を続けることを約束し、なぜなら自身はそこに現在と将来の安全保障の重要要素の1つを見ているからだと発言した。
また同氏は、「ウクライナにとって最も強力かつ可能な安全の保証は、強力かつ良く武装された自国軍である。それは、私たちが、支援、特別な訓練、軍事装備品などを与えることで取り組んでいくことである。他にも複数の可能性があるが、しかし、それらは明確に交渉の結果に左右されていく。それは、(ウクライナ)領へと配備される可能性のある、仮定の『保証軍』の配備問題を含む。現時点では、それは若干議題ではないが、しかし、そのような決定が下されたら、チェコは、ウクライナ領あるいはチェコ領で特別な訓練を確保する問題を検討し得る。私たちのところには、ウクライナ人たちの自分の能力を向上することを支援するための他の可能性もある」と発言した。
さらに同氏は、自国防衛への支出を増やす準備があることを認めた。その際同氏は、チェコ政府が毎年0.2%ずつ防衛支出を上げていき、それを2030年までに2%から3%に引き上げることに同意したことを喚起した。加えて同氏は、今年のハーグでのサミットで目標が定められたら、チェコ政府は5%という目標を支持する準備があると発言した。
その他パヴェル氏は、これに先立ち欧州連合(EU)代表者とロシアに対する経済・金融圧力について協議していた。関連して、同氏は、米国がウクライナでの停戦に関する交渉から離脱することは悪いシグナルとなり、ロシア首脳プーチンに行動の余地を与えることになると指摘した。
そして同氏は、「私は、ドナルド・トランプ氏の発言を、彼が期待していたことが起きていないことへの落胆の表れだと見ている。具体的には、彼はプーチンと早期に合意ができ、ウクライナにいて平和を発表することができること、またロシアとの経済関係を再開することを期待していた」と発言した。
その上でパヴェル氏は、ロシアが引き伸ばし戦術を長らく意図的に用いていることは明白だとの見方を示した。同時に同氏は、米国の政治家の一部が提案している、ロシアとの石油製品や天然ガスを取引している国々に対する高関税の導入という案に、ロシアが「非常に神経質になっている」ことを指摘した。
同氏はさらに、欧州はロシアに対して圧力をかけるべきであり、それによってロシアが交渉の席に着く必要性を認識するようになると指摘した。また、同氏は、ロシアに制裁を完全に感じさせられるだけの水準で経済・金融措置の発動する方法について、米国の同盟者たちと「非常に真剣な議論」を行うべき時が来たと発言した。加えて同氏は、ロシアが交渉開始の日を提示しない場合、厳格な制限措置を導入する明確な日付を定めることが適当だとの見方を示した。