オーストリア政府はウクライナのEU加盟自体には反対していない=エツタドラー欧州相
同国のエツタドラー欧州相がAPA通信へのインタビュー時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
記者から、シャレンベルク外相による、ウクライナをEUに近付けるあり得る代替的な道、という発言に関してコメントを求められると、エツタドラー欧州相は、「(シャレンベルク)外相もまた、もしかしたら、ウクライナを西側の価値観に近付けるためのクリエイティブなアプローチを示さねばならないと言いたかったのかもしれない」と発言した。
エツタドラー氏は、外相はウクライナのEU加盟を否定したのではないとし、「ウクライナは、間違いなくEUへの加盟への否定を聞いたと思ったのだろうが、しかし、それはそういう意味ではないし、オーストリアの立場ではない」と発言した。
同時に同氏は、ウクライナのEUへの完全加盟は「長いプロセス」であり、今後数年間で実現するものではない、「今後5〜10年では」達成されないとの見方を示した。さらに同氏は、「西バルカンの複数の国が次のステップを何十年も待っている」と指摘した上で、ウクライナのために短縮手続きはあってはならないと発言した。
同氏はまた、西側諸国のウクライナへの武器供与へは理解を示し、その武器供与がなければウクライナ自体がなくなっていたかもしれないし、ロシアは次の欧州の国に狙いを定めていたかもしれないとし、「それが欧州の観点では武器供与を支持しなければならない理由だ」としつつ、中立のオーストリアは武器供給はできないとも指摘した。
他方で同氏は、オーストリアは人道支援や防護品供与、難民の受け入れという形でウクライナへ貢献していると発言した。
これに先立ち、シャレンベルク・オーストリア外相が、レッヒ・アム・アールベルクにおける欧州メディアサミットでの演説で、ウクライナにEUへの加盟を提案すべきでないと発言していた。とりわけ、シャレンベルク氏は、ウクライナは6月にEU加盟候補国地位を受け取るべきでないと述べ、西バルカン諸国は候補国地位を得るためにはるかに長い道のりを通ってきたと主張していた。