国連総会、「対ウクライナ侵略の人道的被害」決議採択
140か国が賛成、5か国が反対(ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリア)、棄権38か国、無投票10か国だった。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
国連総会は、同決議にて、ロシアに対して、国連憲章が定める、国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも慎まなければならないことを喚起し、また国際的に認められた国境におけるウクライナの主権、独立、統一、領土一体性へのコミットメントを確認した。
また、総会は、ロシアのウクライナへの軍事侵攻とそれによる人道的被害は、国際社会が何十年と欧州にて見てこなかった規模のものだと指摘した上で、ロシアに対する「速やかで、完全かつ無条件の全ての自国の軍の国際的に認められた国境内のウクライナ領からの撤退」という要求を喚起した。
さらに決議では、ロシアの軍事行動により激しい人道的被害が出ていること、とりわけ、マリウポリをはじめとするウクライナの大都市に対する包囲、砲撃、空爆や、記者を含む民間人への攻撃、学校などの民間施設、上下水システム、医療施設、輸送手段、地方自治体関係者の拉致、外交関係施設や文化施設への攻撃の事実を指摘している。
総会は、民間人や避難車列などの対象へのあらゆる攻撃を断固として非難した。
また、ウクライナが食料輸出大国であることから、食糧安全保障の観点からの戦争の世界的規模の影響に懸念が表明された。
さらに、ウクライナの原子力インフラへの攻撃の人道的被害、環境への影響の可能性が指摘された。
国連総会は、ロシアによる、民間人・民間施設への攻撃をはじめとする、対ウクライナの軍事行動の即時停止を要求した。同時に、医療・人道関係者、輸送手段、医療施設、民間人が生き残るために必要な施設、社会インフラの保護を要求した。