ゼレンシキー大統領、イスラエル議会向けに演説 ロシアとナチスドイツを比較し、支援要請

ゼレンシキー大統領、イスラエル議会向けに演説 ロシアとナチスドイツを比較し、支援要請

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ウクルインフォルム
ゼレンシキー大統領は20日、イスラエル国会(クネセト)で演説を行った際に、ロシア政権のウクライナに対する行動とナチスドイツのユダヤ人に対する行動を比較した。

ウクライナ大統領府広報室がゼレンシキー大統領の同日の演説の動画を公開した

ゼレンシキー氏は、「クレムリンが何を言っているのか聞いて欲しい。ただ聞いて欲しい。そこでは、当時(編集注:第二次世界大戦中)聞かれたフレーズが使われている。それは悲劇だ。ナチス党が欧州に入り、全てを、皆を殲滅したがり、人々を服従させ、私たちからもあなたたちから何も残らないようにしたがり、名前すらも、跡形すらも残したがらなかった時の悲劇だ。当時彼らはそれを『ユダヤ人問題の最終的解決』と呼んでいた。あなた方は、それを覚えているだろうし、決して忘れることはないだろう。今、モスクワで何と言われているか聞いて欲しい。人々がもう一度その『最終的解決』という言葉を口にしているのを聞いて欲しい。ただし、今回それは、私たちについて、『ウクライナ問題』として用いられているのだ。それは公に述べられたものだ。悲劇だ。モスクワの会議で述べられたのだ。それはウェブサイト上で確認できる。ロシアの官報にも引用されている。モスクワは、私たちに対する戦争なくして、自らの安全のための『最終的解決』は保障できないと話しているのだ。80年前と同じように」と発言した。

同氏は、イスラエルの人々に何百万の人の命を奪い、複数の国を壊滅させた国民社会主義ドイツ労働者党が1920年2月24日に創設されたことを喚起しつつ、その102年後の2月24日、ロシア軍のウクライナに対する全面的侵攻開始の犯罪的命令が下されたのだと強調した。

また同氏は、そのロシアの侵攻はすでに何千という命を奪っており、「第二次世界大戦中にユダヤ人が生き抜かなければならなくなったのと同様に」何百万ものウクライナ人が安全と平和を求めて世界各地へと脱出せざるを得なくなったと指摘した。同氏はまた、その侵攻は全面的かつ卑怯な戦争であって、クレムリンの言うような軍事作戦などではないとも発言した。

さらにゼレンシキー氏は、ウクライナ人とユダヤ人の類似性について、またロシア・ウクライナ戦争と第二次世界大戦の類似性について話す権利を、自分は持っていると発言した。

その他同氏は、ロシアのミサイルがキーウ(キエフ)市内の、10万人以上のホロコースト犠牲者が埋葬されているバービン・ヤールに着弾したことや、戦争開始時点でロシアの砲弾が、イスラエル国民が巡礼に訪れるウーマニ市に着弾したことを喚起した。

同氏は、「この恐ろしい戦争の後に、ウクライナのこのような場所の中でどの場所が残るだろうか。私は、私のこの呼びかけの言葉一つ一つが、あなた方の胸に痛みを覚えさせていると確信している。なぜなら、あなた方は、私が話していることを感じているからだ。どうして私たちは、今も世界中に対して支援を呼びかけているのだろうか? あなた方に私たちは支援を呼びかけている。基本的な査証についてさえだ(編集注:イスラエルはウクライナからの難民受け入れの際に条件を設けて対応に差をつけており、ウクライナ側から批判が出ている)。それは何だ? 無関心だろうか? 計算ずくなのだろうか? それとも仲介なのだろうか? 私は、あなたに質問への回答の選択肢を与える。私は一つだけ注意する。無関心は人を殺す。計算ずくはしばしば過ちとなる。仲介は、国家間では可能かもしれないが、善と悪の間で不可能である」と指摘した。

さらに同氏は、「イスラエルの国民一人一人が、あなた方の対ミサイル防衛が最高のものであることを知っている。それは強力だ。誰もがあなた方の武器は強力であることを知っている。誰もがあなた方が素晴らしいことを知っている。あなた方は、自らの国益、自らの民の利益を防衛することができている。あなた方は、命を守る、ウクライナ人の命を、ウクライナのユダヤ人の命を守る私たちを助けることが確実にできるのだ」と強調した。

同氏はまた、「どうして私たちがあなた方から武器を受け取れないのか、どうしてイスラエルはロシアに強力な制裁を科さないのか、どうしてロシアのビジネスに圧力をかけないのか、ずっと質問することは可能だ。しかし、答えは、あなた方が選ぶべきだ、親愛なる兄弟姉妹よ。イスラエルの民よ、あなた方はその答えとともに生きていくことになる。ウクライナは自らの選択を行った。80年前に、ユダヤ人を救った。だから、私たちの中には『諸国民の中の正義の人』がいる。イスラエルの民よ! 今度は、あなた方に選択肢がある」と呼びかけた。

写真:大統領府


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