ロシアはウクライナに関して、事実を誇張した偽情報を拡散している=米シンクタンク専門家

ロシアはウクライナに関して、事実を誇張した偽情報を拡散している=米シンクタンク専門家

ウクルインフォルム
ロシアは、ウクライナと米国の関係を不安定化・弱体化するために米国で偽情報を拡散している。ロシアの偽情報には、いくつかのよく使われるテーマがある。

米シンクタンク「ウィルソン・センター」のニーナ・ヤンコヴィチ専門家がウクライナ国営ロシア語テレビ局「家」へのインタビュー時に説明した

ヤンコヴィチ氏は、「ロシアがウクライナ・米国関係を不安定化・弱体化する目的で利用しているナラティブがいくつかある。私は、それらが部分的に米宇関係や、ウクライナに現存する事実がもとになっていることを強調することが重要だと思っている」と指摘した。

同氏は、まずロシアの偽情報ナラティブとして、「ウクライナは汚職で腐敗した国家」というものを紹介した。同氏によれば、確かにウクライナにも汚職はあるが、しかし政権幹部はこの問題と積極的に闘っていると指摘し、「このテーマはメディアに何度も出てくるし、ロシアの報道機関だけでなく、米国の報道機関でも取り上げられる。この問題は現実にあり、ウクライナ人もそれを認めるが、ロシアは、その小さな真実の種を、大きな不信の作物、国際社会からウクライナへの不信、ウクライナ社会内部の不信へと育て上げようとしているのだ。残念ながら、ウクライナ人の自国政府への信頼を破綻させることを目的にしたこのナラティブは、かなり強力である」と指摘した。

同氏はまた、次のロシア発ナラティブとして、西側政治が「ウクライナに疲れを感じている」というものを紹介した。同氏は、「ウクライナを支える西側の願望があたかも尽きつつある、といった内容だ。欧州連合(EU)が対露制裁を解除したり、米議会で対ウクライナ武器供与のための財政拠出に関する議論、ウクライナの民主主義サポートの方策に関する議論が行われていたりする時に、このナラティブが盛んとなる」と指摘した。

その上で同氏は、米国において支援に関する問題は常に議論を呼び起こすとし、ロシアは、その機会を利用して、ウクライナ人に対して、あたかも西側諸国がウクライナを十分に支持していないかのように見せようとするのだと説明した。

もう一つのロシアのナラティブとして、「ウクライナに極右運動が盛んとなっている」というものが紹介された。ヤンコヴィチ氏によれば、そのナラティブの目的は、ウクライナにおいて、初期ナチズム、初期ファシズムの動きが伸長している、強まっているなどというように見せることにあるという。同氏は、それによって米国民の間の懸念を呼び起こそうとしているのだと指摘した。

同氏は、「確かに、ウクライナには、極右思想を持つ個別の人物はいるし、米国務省が、穏やかに言って、疑わしい団体を特定リスト入りするよう勧告したこともある。同時に、ウクライナにおいて、これら人物の政治的影響力のレベルは限りなく小さい。にもかかわらず、ロシアは、あらゆる手でもって、一般人から政治家までの米国民に対して、ウクライナではこの問題が極めて深刻であるかのように思い込ませようとしているのだ」と説明した。

ヤンコヴィチ氏は同時に、ホワイトハウスでも、米国務省でも、ウクライナ問題を担当している者は、ウクライナにおける過激主義のムードに関する実際の状況を良く理解していると指摘し、個別の極右思想を持つ人物の存在をもってウクライナ全体を特徴づけることは全くできないと説明した。同氏は、「汚職問題と同じで、それをもってウクライナを特徴づけたり、認定したりはしていない」と指摘した。

その上で同氏は、「私たちは、ウクライナをダイナミックな民主的社会であり、改革の道にしっかりと立ち、確信を持ってその道を進んでいる社会だと受け止めている。それが私たちの知るウクライナだ。あなたたちの国で仕事をした経験がある(米国の)人たちは、ウクライナを内側から知り、ウクライナのことを心から愛しており、全力でロシアのナラティブに対抗し、ウクライナに関する偽情報を打ち砕こうとしている」と指摘した。


Let’s get started read our news at facebook messenger > > > Click here for subscribe

トピック

ウクルインフォルム

インターネット上の全ての掲載物の引用・使用は検索システムに対してオープンである一方、ukrinform.jpへのハイパーリンクは第一段落より上部にすることを義務付けています。加えて、外国マスメディアの報道の翻訳を引用する場合は、ukrinform.jp及びキャリー元マスメディアのウェブサイトにハイパーリンクを貼り付ける場合のみ可能です。オフライン・メディア、モバイル・アプリ、スマートTVでの引用・使用は、ウクルインフォルムからの書面上の許可を受け取った場合のみ認められます。「宣伝」と「PR」の印のついた記事、また、「発表」のページにある記事は、広告権にもとづいて発表されたものであり、その内容に関する責任は、宣伝主体が負っています。

© 2015-2024 Ukrinform. All rights reserved.

Website design Studio Laconica

詳細検索詳細検索を隠す
期間別:
-