【MH17撃墜】オランダ政府、ロシア提訴の根拠条項を説明

【MH17撃墜】オランダ政府、ロシア提訴の根拠条項を説明

ウクルインフォルム
オランダ政府は、マレーシア航空機MH17撃墜に関連した欧州人権裁判所へのロシア提訴につき、関係国に追加情報を提供した。

14日、ウセヴォロド・チェンツォウ駐オランダ・ウクライナ大使がウクルインフォルムのハーグ特派員にコメントした。

チェンツォフ大使は、「本日、オランダ司法省でブリーフィングが行われた。国際共同捜査チーム(JIT)参加国と同機撃墜時に自国民に死者の出た国の代表者が出席した。オランダによる欧州人権裁判所へのロシア提訴に関する詳細な情報が提示され、またその行動をサポートするよう提案があった。加えて、オランダによる提訴の法的基盤に関して解説が行われた。とりわけ、第三国としてその提訴に加わりたいと考えている国は、欧州人権裁判所事務局へロシア提訴が正式に提出された後、12週間以内なら(同提訴に)加わることができるとのことであった」と説明した。

大使は、オランダの提訴は、ロシアによる「人権と基本的自由の保護のための条約」(欧州人権条約)の第2条、第3条、第13条の違反に関するものだと指摘した。

欧州人権条約第2条は、すべての者の生命に対する権利が法律によって保護されること、何人も、故意にその生命を奪われないことを定めている。ただし、法律で死刑を定める犯罪について有罪とされ裁判所による刑の宣告を執行する場合は、例外となる。

同条約第3条は、拷問の禁止を定めており、何人も、拷問または非人道的なもしくは品位を傷つける扱いもしくは刑罰を受けない、と書かれている。

同第13条は、実効的救済手段を得る権利について定められており、同条約が定める権利および自由を侵害された者は、公的資格で行動する者によりその侵害が行われた場合にも、国の機関の前において実効的な救済手段を得るものとする、と書かれている。

チェンツォウ大使は、「オランダは、欧州刑事共助条約の義務に反する形で、ロシア連邦による同機撃墜捜査における協力が不適切なレベルであったことに関連し、欧州事件条約第13条を(提訴の)根拠としている」と説明した。

これに先立ち、10日、オランダ政府は、2014年のウクライナ東部ドンバス地方でのマレーシア航空機撃墜につき、欧州人権裁判所へロシアを提訴する準備を行うことを決定していた

なお、オランダ政府は、2018年5月、オーストラリア政府とともに、MH17撃墜事件への関与につき、ロシアを正式に断罪している。

また、2020年3月から、オランダのスキポール裁判コンプレクスにて、MH17機撃墜事件の公判が始まっている。

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイル・システム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させていた。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

なお、2019年6月、マレーシア航空機MH17撃墜事件の捜査を行う国際共同捜査チーム(JIT)は、同撃墜に関与した容疑者4名を公表しており、オレグ・プラートフ氏(露国籍)はその内の1人。JITは、プラートフ氏につき、地対空ミサイル・システム「ブーク」の移送に関与し、航空機の撃墜した地域の警備を担当した容疑を発表していた。


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