「NATOは原則については譲歩しない」 NATO事務総長、ロシアとの会合を総括

「NATOは原則については譲歩しない」 NATO事務総長、ロシアとの会合を総括

ウクルインフォルム
12日に開催された、北大西洋条約機構(NATO)ロシア理事会会合後、ストルテンベルグNATO事務総長は、同機構はロシアとの対話の用意があるが、同盟国防衛や欧州の国々が自らの道を選択する権利といった重要原則については譲歩しないと発言した。

ストルテンベルグNATO事務総長が会合後記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ストルテンベルグ氏は、「私たちは、ウクライナ国内とその周辺の情勢とその欧州の安全保障への影響について真剣かつ直接的な意見交換を行った。NATO同盟国とロシアの間には、それらの問題につき決定的な見解相違が存在する。それらは簡単には克服できないだろうが、しかし、NATOの全ての同盟国とロシアが協議の机に向かい、内容ある議題の協議に向かったことは、肯定的な兆候である」と発言した。

同氏はまた、同日の会合時、ロシアは昨年12月に発表した自らの安全保障面の提案を説明したとし、「それら提案は、NATOへのあらゆる新しいメンバーの受け入れを停止し、同盟の東方から部隊を撤退させる要求を含んでいる。これに対して、同盟国は、NATOのオープンドア政策と、全ての国が自らの安全保障の道を選択する権利を確認した。同盟国は、NATO東方の軍事プレゼンスを確保することを含め、互いに防衛する能力を断念することはないとの点を非常に明確にした」と発言した。

加えて同氏は、ロシアとNATO同盟国が対話の再開の必要性を支持し、今後の会合の可能性を検討することに同意したことは肯定的なことだと指摘した。同氏は、NATO同盟国は問題のより詳細な議論や具体的な提案のためにロシアとの今後の会合への準備があると伝えた。具体的には、それは軍備管理、信頼醸成方策、軍事活動透明性、誤解や軍事面の(不慮の)事件を予防するための対話メカニズムの設置などが関係するという。

同氏は、NATOはNATOのロシア代表部とモスクワのNATO事務所の活動再開に前提条件は設けないと指摘した。

また同氏は、今日の協議は容易ではなかったものの、正にそのために会合は「欧州の安全保障にとって決定的」な状況である今、とりわけ重要であったと発言した。

同時にストルテンベルグ氏は、NATOはウクライナの自衛権確保のための努力を続けると伝えた。同氏は、「ウクライナは主権国家だ。ウクライナは自衛権を有しており、それは国連憲章にて定められている。NATOの複数の同盟国とNATOは概して彼ら(ウクライナ)がその自衛権を行使できるよう支援している」と指摘した。

その際同氏は、「ウクライナはロシアにとっての脅威ではない」とし、ロシアは欧州最大の陸軍部隊を持ち、主要な核保有国の内の一国だと指摘した。また、「彼ら(ロシア)は過去数年間、新たな破壊的能力へと大きな投資を行ってきた。しかし、それだけではない。ロシアはこれまでにウクライナに軍事力を行使してきた。2014年、ロシアはウクライナ領クリミアを占領し、奪取し、その占領を継続している。また東部、ドンバス地方の分離主義者をコントロールしている。ウクライナがロシアにとって脅威をもたらし得るとする考えは全て、言うなれば、足と頭を真反対に置くようなものだ。ロシアが侵略国なのだ。その危機はロシアが作ったものであり、だからこそ、ロシアが沈静化をすることが重要なのだ」と強調した。

同氏は、同日の会合ではロシアに対して情勢沈静化が要請されたとし、「NATO同盟国は、ロシアとの今後の協議の展望について非常に明瞭である。彼らは、ウクライナ国内とその周辺におけるロシア軍の集結について深刻な懸念を表明し、ロシアに対して情勢の沈静化を速やかに行うよう、隣国の主権と領土一体性を尊重するよう要請した。彼らはまた、ロシアに対して、自国軍の攻撃的な配置や、同盟国への敵対行為を控え、国際義務を全て守るよう要請した」と伝えた。

また同氏は、NATO同盟国はウクライナ周辺の緊張の外交的解決のために努力をしつつ、ロシアが対立の道を選択する場合に備えておかなければならないと発言した。その際同氏は、ロシアによるどのような更なる侵略も、同国にとって高い代償をもたらすと繰り返した。

同氏は、「NATO同盟国は、政治的道を見つけるためにあらゆる努力を行うと強調した。彼らはまた、米露間の二国間協議と明日(13日)のOSCE会合を歓迎した。それは、欧州の安全保障にとって利益となる、無駄にすべきではない、具体的関与の機会を与えるものだ」と発言した。

これに先立ち、12月17日、ロシア連邦外務省は、ロシアと米国、及び、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の間の合意文書案を公開していた。同案には、ウクライナのNATO非加盟要求が含まれている。

12月30日には米露首脳電話会談が開催され、その後1月2日には米宇首脳電話会談が行われた。

1月4〜6日、ボレルEU上級代表がウクライナ東部前線地域を初めて訪問した。

1月9、10日には、ジュネーブにて米露代表者が戦略的安定対話を行った。また、10日には、NATOウクライナ委員会会合も開催された。

本日12日には、NATOロシア理事会会合が開催。明日13日には欧州安全保障協力機構(OSCE)常設理事会会合が開催される。


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