裁判所、ヤヌコーヴィチ前大統領による国家反逆と戦争開始幇助の罪を認める
ウクルインフォルムの記者が伝えた。
判決を読み上げたデウヤトコ筆頭裁判官は、「ヤヌコーヴィチ氏は、2014年2月24日にロシア領にいる際、国家反逆という手段にて、ロシア連邦政権代表者による対ウクライナ侵略戦争の開始を幇助することを決めた。その際、ヤヌコーヴィチ氏は、このようなウクライナの主権に対する違法手段を通じて、ロシア連邦政権代表者からロシア国内でその後の長期滞在のための優先的権利を得て、ウクライナでの処罰から逃れることを期待して、このような行動を取っている」と説明した。
同裁判官はまた、ヤヌコーヴィチ氏は2014年3月1日以前にロシア領に到着して以降、ロシア政権代表者と秘密合意を行い、クリミア占領の正当化を幇助したと指摘した。
そして、同裁判官は、「ヤヌコーヴィチ氏は、その時点で既に法的に大統領の地位にはなかったにもかかわらず、2014年3月1日、プーチン露大統領に対し、ロシア連邦軍をウクライナに対する侵略戦争の展開のために用いるよう要請を行った」と発言した。
また、その後裁判官により審議休憩が宣言され、刑罰は言い渡されていない。
なお、本日の法廷には、国内外の記者が多く集まっており、記者の中には法廷に入れていない者もいる。
本日の裁判は、ヤヌコーヴィチ前大統領の国家反逆容疑捜査に関する第90回目審議となる。
オボロン地区裁判所は、2017年5月4日にヤヌコーヴィチ前大統領に対する、国家反逆(ウクライナ刑法典第111条1項)、ウクライナの領土境界線・国境変更を目的とする意図的行為の幇助(同第27条5項、第110条3項)、侵略戦争展開幇助(同第27条5項、第437条3項)にのっとった容疑の審議を開始していた。
この容疑の主要な証拠の一つは、ヤヌコーヴィチ前大統領からプーチン露大統領に対して出された、ウクライナ領へのロシア軍展開を要請する書簡である。
本件容疑の裁判審議中、ヤヌコーヴィチ前大統領はロシア国内から動画システムを用いた遠隔出廷をしていた。しかし、審議が最終段階に入り、同前大統領に対して、判決前最終発言が求められると、同前大統領は動画を通じた出廷を行わなくなった。そのため、昨年12月5日、裁判所は、ヤヌコーヴィチ前大統領の最終発言のための審議の更なる延期を止め、判決採択プロセスに入っていた。
なお、原告側は、ヤヌコーヴィチ前大統領に対して15年間の拘禁刑の有罪判決を定めるよう要請している。