戦争研究所、ロシアが中距離弾道ミサイルでリヴィウ州を攻撃した理由を推測
戦争研究所(ISW)の1月9日付報告書に書かれている。
ISWは、クレムリンは「欧州及び米国による安全の保証の提供を阻止するため」、あえて「ウクライナの最も西側に位置する地域」をミサイル「オレシニク」の標的にした可能性が高いと指摘している。
報告書では、「ミサイル『オレシニク』による攻撃は、おそらくロシアによる核の恫喝の一環であり、和平合意の枠組みにおける部隊展開を含め、西側諸国がウクライナへの軍事支援を提供することを恐れることを目的としていたのだろう」と指摘されている。
ロシア国防省はこの攻撃について、12月28日から29日の夜間にウクライナの無人機がロシア領ヴァルダイにあるプーチンの邸宅を攻撃したことへの報復であると正当化しようとしていた。しかし、ISWの評価と同様に、米国の中央情報局(CIA)は、プーチン邸宅への攻撃の試みは存在しなかったことを明らかにしている。
「有志連合」は最近、多国籍保障軍の展開を含む、戦後ウクライナへの安全の保証の詳細について最終調整を行っていた。クレムリンは、このような西側による安全の保証はロシアにとって「受け入れられない」ものであり、外国軍はロシア軍にとって「合法的な」標的になると繰り返し表明していた。
ISWは、「個別誘導多弾頭(MIRV)を搭載可能な核対応ミサイルを用いてウクライナ極西部を標的にしたことは、おそらく『有志連合』を恐れさせ、西側からウクライナに入国して前線から遠く離れた西部で活動する可能性のある部隊の展開を抑止することを意図したものであろう」と分析している。
またISWは、ロシアが2024年11月に初めて「オレシニク」を使用した際も、ウクライナによる「アタクムス」及び「ストームシャドウ」を用いたロシア国内の軍事施設への攻撃に対する直接の報復だとし、西側によるウクライナへの軍事支援を萎縮させるための「パフォーマンス的な攻撃」であったことを喚起している。
これに先立ち、1月8日23:50頃、空襲警報の発令中にリヴィウで爆発音が響いた。ゼレンシキー宇大統領は、ロシア軍は中距離弾道ミサイル「オレシニク」で攻撃を行ったと伝えていた。
ロシア国防省は、1月9日未明、ウクライナ領土に対して中距離弾道ミサイル「オレシニク」などによる攻撃を行ったと発表している。
ウクライナ外務省は、ロシアがリヴィウ州への攻撃に中距離弾道ミサイルを使用したことを受け、国連安全保障理事会の緊急会合、ウクライナ・NATO理事会、並びにEU、欧州評議会、欧州安全保障協力機構(OSCE)における対応を要請する意向を表明している。
写真:SBU