ロシア軍、ウクライナ各地の電力インフラ施設を大規模攻撃 各地で停電被害

ロシア軍、ウクライナ各地の電力インフラ施設を大規模攻撃 各地で停電被害

写真・動画
ウクルインフォルム
ウクライナへの全面侵略戦争を続けるロシア軍は、前日に続き22日未明も同国各地に対して自爆型無人機とミサイルにより大規模攻撃を行った。南部のドニプロ水力発電所をはじめとする重要インフラが攻撃され、各地で停電が発生しており、また市民に死傷者も出ている。

ウクライナのゼレンシキー大統領がソーシャルメディア「X」アカウントで報告した

ゼレンシキー氏は動画を公開した上で、「本日未明は60機以上の『シャヘド』(自爆型無人機)と約90弾の様々なミサイルだった。ロシア・テロリストの標的を世界は、最大限明確に目にした。それは、発電所、電線、水力発電所のダム、普通の民家、さらには路面電車だ。ロシアは、人々の普通の生活に対して戦っている」と強調した。

また、同氏は、攻撃被害を受けて全ての町で、当局が活動していると伝え、「誰も支援なく放置はされない。電力供給復旧作業が続いている。ハルキウ市と州、ザポリッジャ、スーミ州、ポルタヴァ州、ドニプロペトロウシク州、オデーサ州、フメリニツィキー市と州、ヴィンニツャ州、イヴァノ=フランキウシク州、支援が必要な全ての場所で、復旧作業が続いている」と伝えた。

さらに同氏は、「ロシアのミサイルには、私たちの国への支援のような遅延はない。『シャヘド』には、一部の政治家のようなためらいはない。大切なことは、遅延や決定の先送りの代償を理解することだ。『パトリオット』システムはハルキウやザポリッジャを守らねばならず、人々を、インフラを、建物を、ダムを守るために防空が必要だ」と強調した。

そして同氏は、パートナー国は「何が必要かを確実に把握している。絶対に支援できる。必要なのはその決定だ。命は、モスクワからのその人間ならぬ者たちから守られねばならない」と伝えた。

南部ザポリッジャでは、ロシア軍の攻撃でドニプロ水力発電所のダムが損傷した。電力会社「ウクルエネルホ」のクルディツィキー理事長がテレビ番組「統一ニュース」出演時に伝えた。

クルディツィキー氏は、「最初に言おう。現時点でダム結界のリスクはない。被害は大きいが、それらは発電所の発電作業に関係するものだ」と発言した。

また、水力発電事業者「ウクルヒドロエネルホ」社もフェイスブック・アカウントにて、ドニプロ水力発電所では、ロシア軍の攻撃の後に火災が続いているが、決壊のおそれはないと伝えた

発表には、「残念ながら、着弾は、ウクライナ最大の水力発電所であるザポリッジャのドニプロ水力発電所にもある。人にあらざる者たちは、カホウカ水力発電所の破壊に満足せず、今度はドニプロ水力発電所の構造物とダムをシニカルに攻撃することで、新たな環境災害を生み出そうとしている」とあり、発電所では火災が続いていると書かれている。

また、フェドロウ・ザポリッジャ州軍行政府長官はテレグラム・チャンネルにて、ザポリッジャはロシア軍のミサイル約20弾で攻撃されたと伝えた

フェドロウ氏は、「約20の飛来がザポリッジャ市とザポリッジャ地区にあった。現在、破壊された施設と建物の確認を行っている。それは数時間かかる。最大の破壊は、ドニプロ水力発電所だ。ダムの通行が禁止されている」と伝えた。

写真:フェドロウ・ザポリッジャ州軍行政府長官

また、クルチェウ・ザポリッジャ市長代行は、ウクルインフォルムの記者に対して、少なくとも2名が行方不明で、捜索が行われていると伝えた。

東部ハルキウ州のシニェフボウ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、ハルキウ市がミサイル「S300」と「Kh22」計15弾以上で攻撃され、市が一時的に停電したと伝えた

シニェフボウ氏は、「4時52分から5時30分の間、ハルキウ州では電力インフラ施設に対して大規模なミサイル攻撃が行われた。『S300』/『Kh22』15弾以上だ。ハルキウは一時的に停電である」と伝えた。

また同氏は、全ての当局が活動をしていると同時に、市内では市民が電気機器を充電したり、暖を取ったりするための場所「不屈ポイント」が全て稼働していると発言した。

さらに同氏は、ハルキウ州では、ミサイル攻撃の他、15の自治体が榴弾砲と迫撃砲で攻撃を受け、セニンキウカが空爆を受け、前日11日にはバラニウカがロシア軍無人機の攻撃で民家が破壊されたと伝えた。

テレホウ・ハルキウ市長は、テレグラム・チャンネルにて、同市は停電により、地下鉄や複数公共交通機関が運行しておらず、市内の水の供給も問題が生じていると伝えた

南部ドニプロペトロウシク州では、リサク州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて、同州への大規模攻撃により州内に計画停電が導入されると報告した

リサク氏は、「朝から州内では爆発が響いた。敵が大規模に攻撃した。ドニプロ地区、クリヴィー・リフ地区、パウロフラード地区、カムヤンカ地区の電力施設が損傷した。爆風で、建物の窓が割れた。電力と水の供給が止まっている。計画停電が導入される」と伝えた。

同州クリヴィー・リフのヴィルクル市防衛評議会議長は、テレグラム・チャンネルにて、同市では重要インフラ施設に着弾があったと報告した。同氏は、可能であれば、水を溜めておき、電気機器を充電しておくと良いと述べた他、市内213か所で「不屈ポイント」が稼働していると伝えた

中部フメリニツィキー州軍行政府は、テレグラム・チャンネルにて、同州への敵の攻撃で死者が出ており、また瓦礫の下にいる可能性のある人々の捜索が行われていると報告した

発表には、「フメリニツィキー州への敵のさらなる攻撃だ。重要インフラ施設、民家が損傷した。全ての当局が活動している。残念ながら死傷者が出ている」と伝えた。

クリメンコ内務相は、テレグラム・チャンネルにて、フメリニツィキーでは2名が死亡、少なくとも8名が負傷したと報告した

西部イヴァノ=フランキウシク州のオニシチューク州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、同州ではロシア軍の無人機とミサイルの大規模攻撃により、重要インフラ施設に着弾があったとし、また少なくとも1名が負傷したと報告した

同時に同氏は、州内には停電は確認されておらず、着弾現場では国家非常事態庁職員が活動していると伝えた。

西部リヴィウ州では、コジツィキー州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて、ストリー地区の電力インフラ施設にロシア軍の無人機が着弾し、火災が発生したと報告した。同時に犠牲者情報は発表時点では入っていないという。

南部オデーサ州については、ウクライナ軍南部司令部「ピウデン」のフメニューク合同調整報道センター長が、テレビ番組「統一ニュース」出演時に少なくとも11機の「シャヘド」が撃墜されたが、重要インフラ施設の損傷もあると報告した。

東部ドネツィク州については、電力事業者「DTEK」グループがテレグラム・チャンネルにて、ロシアの大規模攻撃を受けて緊急停電が導入されていると伝えた

ウクライナ空軍のオレシチューク司令官は、テレグラム・チャンネルにて、22日未明ロシア軍はミサイル88弾、自爆型無人機63機で攻撃し、ウクライナ防空戦力はこの内ミサイル37弾、無人機55機を撃墜したと報告した

空軍は、ロシアは同日未明統合攻撃でウクライナの重要インフラ施設を攻撃したと指摘した。

ロシア軍が攻撃に用いたのは、以下のとおりの151点のミサイルと無人機だったという。

・自爆型無人機「シャヘド136/131」63機(露プリモルスコ=アフタルスクから)

・弾道ミサイル「イスカンデルM」12弾(露ベルゴロド州、一時的被占領下クリミアから)

・巡航ミサイル「Kh101/Kh555」40弾(カスピ海上空の戦略爆撃機「Tu95MS」13機から)

・巡航ミサイル「Kh22」5弾(露ロストフ州の爆撃機「Tu22M3」5機から)

・空中発射型弾道ミサイル「Kh47M2キンジャル」7弾(露タンボフ州の戦闘機「MiG31K」から)

・航空誘導ミサイル「Kh59」2弾(一時的被占領下ザポリッジャ州の「Su30(Su34)」から)

・地上発射型誘導ミサイル「S300/S400」22弾(露ベルゴロド州、クルスク州から)

この内、ウクライナ側が撃墜したのは、以下のとおりの92点だったという。

・自爆型無人機「シャヘド」55機

・巡航ミサイル「Kh101/Kh555」35弾

・航空誘導ミサイル「Kh59」2弾


Let’s get started read our news at facebook messenger > > > Click here for subscribe

トピック

ウクルインフォルム

インターネット上の全ての掲載物の引用・使用に際しては、検索システムに対してオープンであり、ukrinform.jpの第一段落より上部へのハイパーリンクが義務付けてられています。また、外国報道機関の記事の翻訳を引用する場合は、ukrinform.jp及びその外国報道機関のウェブサイトにハイパーリンクを貼り付ける場合のみ可能です。「宣伝」のマークあるいは免責事項のある記事については、該当記事は1996年7月3日付第270/96-BPウクライナ法「宣伝」法第9条3項及び2023年3月31日付第2849ー9ウクライナ法「メディア」の該当部分に従った上で、合意/会計を根拠に掲載されています。

© 2015-2024 Ukrinform. All rights reserved.

Website design Studio Laconica

詳細検索詳細検索を隠す
期間別:
-