春夏の時期が非常に困難となるだろう=ウクライナ軍事インテリジェンス
スキビツィキー情報総局副局長がベルリンのベルビュー宮殿で開催されたロシアの対ウクライナ全面侵略開始に際して開催されたイベントの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
スキビツィキー氏は、「ロシアが自らの当初の計画を断念していないことから、状況は非常に困難である。(中略)春・夏の時期が非常に困難となる。私たちはそれを理解しており、準備している。私たちは、どのような状況展開に向けても準備ができており、私たちの能力を強化しており、経験もパートナー国からの強力なサポートもある。春・夏の展開は、結果を達成することを目指すものとなる。しかし、私たちが結果を達成するということである」と発言した。
同氏はまた、今年の決定的戦いに向けた準備の支援をしてくれているパートナー国に謝意を伝えた。
さらに同氏は、「ラムシュタイン会議(ウクライナ防衛問題会議)」につき、同会議会合が毎月開催されて、支援・計画が調整されていることを指摘し、50か国以上が参加する同会議が昨年4月から約1年開催され、それにより成果を出していると伝えた。
その他同氏は、ロシア側がバフムート周辺をはじめとする場所で、個別に小規模な戦術的戦果を得ていることにつき、他方でロシアの基本目標は東部ドンバス地方(ドネツィク・ルハンシク両州)の完全占領だが、その目標は1年経っても達成されていないと指摘した。そして、同氏は、ウクライナ側はロシア側の常に変化する計画を全て破綻させていると述べた。
また、同氏は、1年前はロシアは少なくとも4方面で攻勢を開始したが、ロシア軍は現在同時に攻勢作戦を行うのは2方面が限界だと指摘した。
同氏は加えて、ロシアの計画が実現していない別の理由として、ロシアの全面侵略開始の時点で、ウクライナ軍人は35万人がドンバス地方で反テロ作戦/統一部隊作戦へ参加することで戦闘経験を有していたことを挙げ、また、だからこそ彼らは現在迅速に2、3週間で西側の装備品を使えるようになるのだとも指摘した。
その他同氏は、ウクライナの軍情報機関が敵の行動1つ1つを事前に把握してきたことを誇りに思うと述べ、全面侵略開始への準備ができたこと、全面侵略の兆候は2021年春にはすでに見られていたことを指摘した。同氏は、当時大規模訓練が始まった時、その後ウクライナ国境沿いには、ロシア軍の15万の兵力、約1800両の戦車、440機の戦闘機、530機の軍用ヘリ、92個の大体戦術軍がロシアの4つの軍管区から集結し、空挺軍3個師団なども集まっていたと喚起した。
また同氏は、2021年10月にはブダーノウ情報総局局長が、全面戦争は2月15日に始まると述べていたことを喚起し、侵攻はその日には始まらなかったが、それはプーチン露大統領が露国防省と参謀本部の提案した計画を確定しなかったからだと指摘した。
同時に同氏は、「しかし、ウクライナの情報機関は、全ての配置や、ロシア軍がどの方向に進むかを把握していた」と述べ、ベラルーシ領から露軍大体戦術軍がキーウに12時間以内に侵入し、首都を支援から隔離する計画や、ロシア軍の空挺軍が、2、3日でキーウのあらゆる主要な建物や交差点のコントロールを完全に奪取する計画を示す文書もあると発言した。
同氏は、「私たちは何も間違えなかった。(間違えたのは)ロシアのウクライナ全土を制圧する予時期ぐらいだ」と発言した。
また同氏は、ウクライナ国民全体に感謝を述べ、「最初の数日、敵の移動に関する大量の情報があり、私たちは処理しきれなかったほどだ。全て携帯電話から送られてきた。そういう国民全体の抵抗があったのであり、それは私たちの情報コミュニティのパートナーや友人たちにはわからないだろう」と指摘した。
その他同氏は、ロシア国内で生じているプロセスは、不可逆的なものだとし、いずれロシアは現在の国境では存在しなくなるだろうの予想を示し、その兆候はすでにあるとし、ロシア国民がこの戦争の性格を理解するには時間が必要だとも発言した。