ウクライナ政府管理下地域の現在の居住人口は2900万〜3000万人=専門家推計
ウクライナの人口問題研究所のボリス・クリーメル氏は、ウクライナの人口減少は独立後ほぼ全ての期間存在していた現象だが、戦争によって問題が深刻化したと説明している。
ウクライナ国家科学アカデミー人口問題研究所の上席研究員であり、経済学博士ののクリーメル氏がウクライナ・ラジオの番組出演時に発言した。
クリーメル氏は、ウクライナにおける人口の自然減少は独立後のほぼすべての期間存在しているとし、そこに戦争によってさらに移民という要因が加わり、現在ウクライナの人口に関する正確なデータは存在しないと説明した。そして同氏は、大まかな推計によれば、現在ウクライナ政府の管理下にある地域にはおよそ2900万〜3000万人が暮らしていると指摘した。同氏はそして、育児給付金のみでこの傾向を変えることは総じて不可能だとしつつ、「そのようなイニシアティブは必要であり、発展させる価値がある」と補足した。
一方で、同氏は、国外に出ている人々をウクライナへ戻るよう後押しできるのは、何よりも安全上の条件、戦後の発展、国家と国民との間の成熟した対話、そして現在ウクライナ人が暮らしている国々における機会だと指摘した。
その際同氏は、「安全の問題は重要だ。なぜなら多くの人にとって、それが正に彼らを国外へと押し出し、今後も押し出し続けていることだからだ。また、この押し出しがどの程度不可逆的であるかも重要である。例えば、侵攻の初期には半分以上の人々が戻りたいと話していた。つまり短期間の出国のつもりだった。しかし、侵攻初期にこの戦争がどれほど続くか誰が知っていただろうか。そのため安全という要因は重要だ。というのも、1年、5年、20年続く戦争は、それぞれいささか異なる現実だからだ。しかし私は、少なくとも欧州連合(EU)での保護が終了した時には、一部の人が確実に(ウクライナに)戻ってくるという考えに傾いている。それが過半数にはなることは確実にないが、もし4分の1でも戻ってくれば、それはすでに100万人の国民である。何ができるだろうか? つながりを維持しなければならない。そして、それは国家の意図的な活動に左右されていく。何よりもそれは安全、戦後の発展、そして人々が現在暮らしている国々における機会に左右されていく」と発言した。
なお、欧州連合(EU)の統計局「ユーロスタット」によれば、今年6月末現在、ロシアの全面侵攻を受けてウクライナを離れ、EU諸国で一時的保護の地位を取得した人の数は440万人を超えている。