75%のウクライナ国民、ロシアの「和平計画」を拒否=世論調査

世論調査

ウクライナで実施された最新の世論調査により、75%のウクライナ国民がロシア・ウクライナ戦争に関してロシアが提示する和平計画案を全く受け入れられないと考えていることがわかった。

キーウ国際社会学研究所が9月2〜14日に実施された世論調査の結果を公開した

同調査では、以下の条件からなる2つの案を「ロシアの和平計画」「欧州・ウクライナの和平計画」として回答者にその賛否を尋ねている。

「ロシアの和平計画」

・米国と欧州が対露制裁を全て解除

・ウクライナでロシア語が公的地位を得る

・ウクライナは自軍を著しく縮小し、兵器を制限する

・ウクライナはNATO加盟を永久に断念し、西側は今後ウクライナに兵器を供給できない

・ロシアは、ウクライナのための安全の保証がどのようなものとなるかにつき決定権を持ち、ウクライナの安全の保証国の内の1国となる

・ウクライナはドネツィク州の現在コントロールを有す一部地域(クラマトルシク、スロヴヤンシクなど)から軍を撤退させる

・ウクライナはクリミア、ドネツィク州、ルハンシク州をロシア領の一部として認め、未来永劫それら地域を断念する

・ロシアは占領するヘルソン州とザポリッジャ州のコントロールを維持する

「欧州・ウクライナの和平計画」

・ウクライナは欧州と米国から信頼できる安全の保証を得る。それには、ウクライナへの十分な兵器と資金の持続的な供給やロシアの攻撃からのウクライナの空の封鎖を含む

・現在の前線は凍結され、ロシアは占領地のコントロールを維持するが、ウクライナと世界はそれを公式に認めない

・ウクライナはEU加盟に向かって進む

・対露制裁は永続的な平和とロシアからの再侵攻の脅威がなくなるまで維持される

その上で、「ロシア計画」に関しては75%の回答者が「全く受け入れられない」と回答、17%が「受け入れられる」と回答した。また、和平がこのような条件で締結された場合、それはウクライナにとっての「失敗」とみなせるものだとの回答が65%に上った。

また、「欧州・ウクライナ計画」に関しては、18%が「簡単に受け入れられる」、56%が「困難な案だが、しかし総じて受け入れ可能」と回答、15%が「全く受け入れられない」と回答した。

同時に、その計画で和平が締結された場合であっても、それをウクライナにとっての「成功」だとみなすと回答した者は30%だけだった。同時に、18%が「失敗」と回答し、44%が「部分的に成功、部分的に失敗」と回答した。

さらに、「欧州・ウクライナ計画」で和平が生じた場合でも、56%の回答者は、いずれにせよロシアは再び侵攻するだろうと予想した。「ロシア計画」の場合は、69%が「再び侵攻するだろう」と回答した。

今回の世論調査は、キーウ国際社会学研究所が9月2日から14日にかけて、調査時にウクライナ政府管理地域に居住していた18歳以上のウクライナ国民1023人に対して実施されたもので、理論的誤差は最大で±4.1%だと説明されている。