ウクライナ、世界汚職度ランキングで1点評価を落とす

汚職・腐敗防止活動を行う国際NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」(TI)は、2024年の世界腐敗認識指数ランキングを発表した。ウクライナは、前年のTIの評価からポイントを1つ落とし、100点中35点。ランキングでは180か国中105位となった(前年は104位)。

TIが発表した

ウクライナは、2023年の腐敗認識指数報告書では著しい改善が報告されていたものの、2024年報告では若干評価を落としている。変革に必要なものとして挙げられている主要な行動は引き続き、欧州統合を目的とした改革と国際義務の履行だと指摘されている。

報告書には、「今年の結果は、多くの改革履行への形式的なアプローチあるいは改革実現における意図的な実施の停滞を示すものである。2024年の減点は、ウクライナの公約履行プログラムのみを見るのでは不十分で、開始された改革の実現が計画された通り良質に行われているわけではないことを示している」と指摘されている。

なお、ウクライナと同じ35点なのはセルビア。ウクライナより1点評価の低い34点と評価されたのは、アルジェリア、ブラジル、マラウイ、ネパール、ナイジェリア、タイランド、トルコ。

ロシアは、前年比マイナス4点の22点で、154位。ベラルーシは、前年比マイナス4点の33点で、114位と評価されている。

報告書には、欧州連合(EU)加盟候補国の大半の指数が汚職対策分野で停滞していると説明されている。例えば、ジョージア(53点、53位)、モンテネグロ(46点、65位)、トルコ(34点、107位)は過去1年で変化なしで、セルビアは1点減点(35点、105位)だった。北マケドニア(40点、88位)、ボスニア・ヘルツェゴビナ(33点、114位)は2点減点だった。

これに対して、モルドバは1点加点で43点、76位。アルバニアは、5点も改善し、42点、80位となった。

TIは、「このように、モルドバとアルバニアのみが今年進展を示している。とりわけ、アルバニアの改善は、EU加盟候補国全体の中で最も優れたダイナミズムである」と報告している。

ウクライナの近隣諸国では、ルーマニアが変化なしで46点、65位。その他中欧諸国は、ポーランド(53点、53位)、ハンガリー(41点、82位)が1点減点。スロバキア(49点、59位)は5点も減点されている。

東アジアでは、日本が前年比マイナス2点の71点、20位。韓国が2点改善の64点、30位。台湾が67点、25位。中国が43点、76位。北朝鮮が15点、170位。

東南アジアでは、フィリピンが33点、114位。ベトナムが40点、88位。タイが34点、107位。インドネシアが37点、99位。マレーシアが50点、57位。シンガポールが87点、3位などと評価されている。

なお、2023年のTIの報告では、ウクライナは104位。また2022年は116位、2021年は122位だった。とりわけ、2022年のTIの報告では、ウクライナは2013年から汚職度を8点改善するという著しい改善を示した国の1つだと指摘されていた