ウクライナ国民の約半数の睡眠の質が悪化

ウクライナのゼレンシカ大統領夫人は10日、戦時下のウクライナ全土で実施された心理面の健康に関する聞き取り調査の結果、回答者の50%が睡眠の質の悪化を感じていると回答があったと伝えた。その他、疲弊(49%)、悪感情(49%)、不安定な感情(45%)を覚えているとの回答も上位に入ったという。

ゼレンシカ夫人がテレグラム・チャンネルで報告した

ゼレンシカ氏は、「最近私たちは、戦時下のウクライナ国民の心理面の健康に関するウクライナ全土での第4回目の分析の結果を受け取った。その中で、回答者は最近『不安と緊張』(58%)、『睡眠の悪化』(50%)、『疲弊』(49%)、『悪感情』(49%)、感情面の不安定さ(45%)をよく感じると回答した」と伝えた。

同氏はまた、睡眠の問題、恒常的ないら立ち、さらには食事の好みの変化などは、とりわけ戦争で生じる問題から生じる感情的な燃え尽き症候群の症状かもしれず、誰にでも起こり得るものだと指摘した。

さらに同氏は、「全ウクライナ・メンタルヘルスプログラム『ティ・ヤク?(あなたはどう?)』の専門家たちは、感情的な燃え尽きは、医学的な診断ではないものの、生活の質を悪化させ、心身の健康に悪影響を及ぼすと述べている。同プログラムのサイトにて、適時それを特定し、助けを求められるように、その燃え尽きの兆候に関する資料を用意した」と伝えた。

同時に同氏は、感情的燃え尽きと職業面の燃え尽きは区別することが重要だとし、前者は生活のあらゆる側面での長期的ストレスによって生じるものであるのに対して、後者は慢性的な仕事関連のストレスのことだと説明した。

さらに同氏は、感情的な燃え尽き症候群は過度な疲労とも異なるとし、前者はたとえ休みをとっても引き続き倦怠感を感じるのに対して、疲れ過ぎの場合は数日間十分に休むと回復すると説明した。

その上で同氏は、「そのため、燃え尽き症候群の兆候を知るということは、自分自身と自分のニーズに耳を傾け、自らを極限に至らせるのを防ぐことができることを意味する。大丈夫なのか、大丈夫じゃないのかを理解すること。それが、自らを助ける道筋の大きな一歩なのだ」と伝えた。

なお、全ウクライナ・メンタルヘルスプログラム「ティ・ヤク?(あなたはどう?)」は、オレーナ・ゼレンシカ大統領夫人の主導で始められたもので、心理サポート分野のサービス提供システムの構築や、メンタルヘルスケア文化の発展を目的としている。