【ロシアの偽情報】ウクライナの学校でポーランド語授業数が増加?

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ロシア発プロパガンダは、ウクライナ中部ポルタヴァ州の学校でポーランド語の授業数が増加しているとの偽情報を拡散した。

記事執筆:ドミトロー・バドラク

最近、ロシア・プロパガンダを拡散するテレグラム・チャンネルにて、「読者の1人」から受け取ったと主張する、ウクライナの中等教育施設の1つで「来月から」10年生の教育計画変更が行われるとする「発表」なるプリントの画像が拡散された。その計画変更が書かれているとされるプリントには、一週間の時間割の内、ウクライナ語の授業が1時間、数学の授業が2時間減らされ、代わりに、ポーランド語の授業が3時間加えられ、体育の時間が2時間から4時間に増やされると書かれている。「発表」には、学校の印鑑と校長の署名が入っている。プロパガンディストたちは、この「発表」をもとに、このように子供たちがポーランドでの仕事に向けて育てられていると書き込んだ。

しかし、検証したところ、この「発表」は偽物であることがわかった。プリントには中等学校の番号は「49」となっており、印鑑からは学校はポルタヴァ州ルブニ市にあるとなっている。しかし、ルブニ市にもルブニ地区にも第49学校は存在しない。ルブニ市議会もその点を認めた。

さらに、プリントには、文書が「コビリャンシカT.V.」氏の署名が入っている。コビリャンシカ氏は確かにルビニ市の学校で校長をしているが、しかし、第3学校の校長である。第3学校の公式サイトには、教育計画の変更に関する情報はない。また、このプリントの「作成者」は、「歴史」の科目の表記を間違えており、単語がロシア語のように「И」から始まっている(ウクライナ語では「І」から始まる)。

また、これが偽情報であることは、ルブニ市議会執行委員会教育局もウクルインフォルムに対するコメントの中で認めた。

ミロスラウ・コステンコ教育局局長は、本件につき「そのようなことはあり得ない。教育計画は、教育年度前に確定するものであり、その後はもう変わらない。さらに、計画は国家の基準に合致せねばならず、何らかの科目の時間を減らすことはできない。それはフェイクである」とコメントした。