ウクライナ国民の95%以上がロシアとの戦争への勝利を確信

世論調査

最新の世論調査によると、95%以上のウクライナ国民がウクライナがロシアとの戦争に勝利することを確信していることがわかった。

キーウ国際社会学研究所がウクライナ科学アカデミー社会学研究所の発注を受けて2022年12月19日から25日にかけて実施した世論調査の結果を発表した

プレスリリースには、「95%以上が、ロシアとの戦争におけるウクライナの戦争を確信している(編集注:75.3%が「完全に確信している」、20.4%が「どちらかといえば確信している」、1.6%が「どちらかといえば確信していない」、0.9%が「全く確信していない」と回答)。その際、圧倒的多数の回答者(63.2%)が来年(2023年)中に、あるいはもっと早く勝利することを期待していると回答した。26%だけが、戦争は1年以上続くと答えた。つまり、社会には、私たちの勝利という結末を迎える形でのロシアとの軍事衝突の迅速な終結への著しい期待が存在するということだ」と書かれている。

設問「あなたはロシアとの戦争におけるウクライナの勝利をどれだけ確信していますか?」
設問「戦争が終わるまでどれぐらいの時間がかかると思いますか?」

また、ロシアに対する勝利のためにウクライナに提供されている国際社会の支援について10点から10点までの評価を尋ねたところ、63.8%が高評価(7〜10点)し、32.1%が中評価(4〜6点)を選択したと回答した。

設問「あなたはロシアとの戦争に勝利するためのウクライナへの国際支援をどれぐらい評価していますか?」

発表にはまた、調査結果により、ウクライナでは常に社会や政治に関して否定的な評価があったが、全面侵攻開始以降、自国国家の価値認識が大きく変化していると捉えられる回答が出ていると指摘されている。例えば、ウクライナ国家の効率の評価が著しく改善しており、ウクライナの未来に対する期待も大きく改善しているという(76.2%の回答者が国の状況は良くなると回答)。個々の国家に対する姿勢は、2021年時点の調査では、概して否定的な姿勢だったが(55.8%が否定的、6.6%が肯定的)、今回の調査では概ね肯定的的な姿勢に変わっている(46.6%が肯定的、26.1%が否定的)。

また、科学アカデミー社会学研究所は、これまでも目にしてきた「国民アイデンティティ」の強化の傾向は、戦時中も継続していると指摘している。具体的には、「自らを何よりまず何者とみなすか?」との設問に対して、「ウクライナ国民」との回答が2021年には62.6%だったところ、今回の調査では79.7%となっており、これに対して、その他の「出身地アイデンティティ」は低下しているという(例えば、「居住する村、地区、町の住人」との回答は、2021年は20.8%だったが、2022年は7.9%となっている)。

設問「あなたは自分を何よりまず何者だとみなしますか?」

発表には、「私たちは、2015年から続いているネイション・国民の『結晶化』の時期は、全面的戦争によって、ネイション・国民『結集』の時期へと変わったと分析している。私たちは、実質的にウクライナでの国民国家の形成プロセスは終結したと考えている。そのため、次の国家規模の重要な課題となる、『完全な欧州統合』の必要性が取り下げられることはないだろう」と書かれている。

同時に、世論の多くの面で変化が生じているにもかかわらず、人々の倫理・心理的状態を示す調査では、社会における「冷笑主義」(一般的倫理規範に対する見下した態度)を受け入れる姿勢には、大きな変化は見られていないと指摘されている。肯定的な変化は見られるものの、同時に大半の回答者(51.6%)が他者をシニカルな態度で見続けているという。他方で、発表には「同時に2つの肯定的な点もある。1つは、大半の回答者が、ウクライナの人々の助け合いを真心によるものだと見ていること。このようなことは以前はなかった。もう1つは、冷笑主義の指数では、ウクライナ社会が同指数を初めて調査した1992年水準に達したこと(同年から同指数は悪化していった)である。この傾向が改善を続けていくのではないかという期待はある」と書かれている。

また、倫理・心理状態のその他の指数は概して肯定的な数字が出ているという。例えば、1人1人の人生はあらかじめ決められたもの、というような運命論を信じる回答者は2002年には59.3%だったが、2022年には35.1%に減少しているとし、これはウクライナ社会における自主性が向上したものだと指摘されている。また、自分の力へ信頼があると回答した者は、2021年には42%だったが、2022年には56.4%となったという。

心理的強靭性について、圧倒的多数(69%)の回答者が、戦争に関連する問題を勝利の時まで耐える準備があると回答したことが指摘されている。また、楽観主義を示す設問としては、「来年(2023年)、私たちの生活は大なり小なり改善すると思うか」との設問に、67.9%がそう思うと回答している点が指摘されている(11.8%が改善は一切ないと回答)。なお、2021年11月の同様の設問時は、「改善すると思う」との回答は20.2%、「改善はないと思う」との回答は40.5%だった。

設問「あなたは、来年私たちの生活が大なり小なりまともになると思いますか、それとも、改善は一切ないと思いますか?」

今回の世論調査は、ウクライナ科学アカデミー社会学研究所の発注で、キーウ国際社会学研究所が実施したもの。調査は、クリミア自治共和国と一時的被占領下ドンバス地方を除く、ウクライナの成人を対象として、調査手法はCATI方式(computer-assisted telephone interviews)で携帯電話番号を用いて行ったもの。調査期間は、2022年12月19日から25日まで。回答者は計2007人で、理論的誤差は最大±2.5%だと説明されている。