「クリミア・タタール人は常に自分の家へ向かっている」=クリミア・タタール系映画監督

ウクライナのクリミア・タタール系著名映画監督アフテム・セイタブライェフ氏は18日、クリミア・タタール民族は、弾圧を受けようとも、これまでの歴史と同様、クリミア半島へ戻ると発言した。

セイタブライェフ監督(現在、領土防衛部隊の兵士として活動)がメディアセンター・ウクライナ=ウクルインフォルムにおける記者会見「国家防衛におけるウクライナ文化活動家たち」の際に発言した。

セイタブライェフ氏は、「8年間のクリミア占領の間、私たちは、民族の別を問わず、どのような人であれ、(編集注:クリミアでは)フェイスブックの投稿や意思の表明によってですら危険に晒されるということを見てきている。(中略)しかし、占領者は歴史をあまり知らない。ロシア帝国は、何世紀かの間、ウクライナ人とクリミア・タタール人を殲滅しようとし、母語にて話すこと、本を出版することを禁止してきたのであり、(中略)人をある民族と特徴づけるあらゆる物、伝統、信心を破壊してきた。そして、そのロシア帝国はもはや存在しない」と発言した。

同氏はまた、その後のソ連も同様に、ウクライナ人をホロドモールで殲滅しようとし、クリミア・タタールも消し去ろうとしたが、しかしそのソ連ももう存在しないと述べた。

その上で、「そして、プーチンや、現在のあらゆる凄惨なことを犯している人々が率いるロシア連邦もまた、いずれ消える。そして私たちが戻るのだ。私たちは常に帰っているのだ」と強調した。

同氏は、クリミア・タタール人は多くはないし、彼らを殺すことは可能だが、しかし打ち負かすことはできないとし、だからクリミア・タタール人は家へ戻るのだと発言した。

そして同氏は、「どれだけすぐのことになるかはわからない。しかし、団結の精神、ウクライナ軍の勝利、ウクライナの人々の勝利のおかげで、それが実現することは確実に知っている。クリミアがもうすぐ戻ってくることへの希望は、日に日に大きくなっているのだ」と強調した。

5月18日が「クリミア・タタール民族虐殺犠牲者追悼の日」と定められていることにつき、同氏は、チュバロフ・クリミア・タタール民族代議機関「メジュリス」代表が、一時的被占領下にいるクリミア・タタール人たちに対して、同日、ロシア占領政権が関連行事を行うことを禁止していることに関連し、気をつけるよう呼びかけたことを喚起した。同時に同氏は、「しかし、人々は、自らを危険にさらさないぎりぎりのフォーマットで集まっている」と伝えた。

なお、ウクライナでは5月18日は、1944年のソ連政権によるクリミア・タタール民族全体のクリミアからの追放の犠牲者を追悼する、「クリミア・タタール民族虐殺犠牲者追悼日」と定められている。同日、ゼレンシキー宇大統領はじめ政権関係者や文化人が関連のコメントを発表している

アフテム・セイタブライェフ氏は、「ハイタルマ」「サイボーグ(邦題:ソルジャーズ ヒーロー・ネバー・ダイ」「他者の祈り」といった映画作品で知られる、クリミア・タタール系映画監督。現在、領土防衛部隊に参加している。