クリミア・タタール人がロシアの偽情報キャンペーンの標的となっている=EU専門家

ロシア政権は現在、一時的被占領下ウクライナ領クリミアにおいて、クリミア・タタール系住民を偽情報の標的としており、それにより被害者が出ている。

8日、在ウクライナ欧州連合(EU)代表部にて戦略的コミュニケーション・人権分野協力マネージャーを務めるマルコ・フェラロ氏がキーウ(キエフ)ストラトコム・フォーラム2021の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

フェラロ氏は、偽情報は社会的弱者や民族マイノリティーといった特定の人物の実際の生活に影響を与え得るものだとし、「例えば、クリミア・タタール人は、非常に強力な偽情報キャンペーンの標的となっている。ロシア政権が彼らをテロリストと名指ししているからだ。そのような実生活上のプロパガンダにより、人々が投獄され、拷問の被害者となる事態を生み出している。そのようなことはあってはならない」と発言した。

同氏は、偽情報への対抗手段として、ウクライナには国外に多くの「友人」がいることを指摘した。同氏は、市民社会がウクライナに関する肯定的なメッセージ、文化遺産、多様性を伝えることで、ウクライナについての偽情報を追いやることができると説明した。

なお、12月7、8日、キーウにて、第1回キーウ・ストラトコム・フォーラムが開催された。同フォーラムには、北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の外交官、ウクライナの政府関係者、ウクライナ市民社会の専門家などが参加し、偽情報対策や戦略的コミュニケーションをテーマにした議論が行われた。同フォーラムは、「戦略的コミュニケーションセンター」が主催した。