ウクライナの民主主義指数改善 「中度の民主主義国」と評価=IDEA報告

民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)(ストックホルム)は、例年発表している報告書「世界の民主主義の状況」の2021年度版を公開した。ウクライナは指数の改善から「中度の民主主義」のリストに加えられた。

IDEAの報告書がオンラインで公開された

同報告書は、IDEAが160か国の体制を調査したもので、調査結果に応じて、各国は、権威主義体制、移行(ハイブリッド)体制、脆弱な民主主義、中度の民主主義、完全な民主主義に分類される。

同報告書では、ウクライナについて、議会能力、政治意思、国際的サポートによる状況の改善が指摘されている(30ページ)。とりわけ、国家汚職防止庁(NAPC)や電子資産申告制度の作業などを通じて、汚職対策での進展が維持されたと説明されている。これにより、ウクライナは、「中度の民主主義」国と評価された。

同時に、IDEAは、米国や、ハンガリー、ポーランド、スロベニアといった欧州連合(EU)加盟国で民主主義の後退が確認されたと報告されている。

さらに、ミャンマー、アフガニスタン、マリでは、権威主義体制になったと評価された。同報告書では、中国、サウジアラビア、イランなど、47か国が権威主義体制国家とされ、ロシアやトルコなど20か国が「移行(ハイブリッド)体制」、98か国が民主主義国家と評価されている。