研究所、武装集団「DPR・LPR」支配地域や南・東部の地方報道の分析結果を発表
マス情報研究所(IMI)は、ウクライナ東部の非政府管理地域(武装集団「DPR・LPR」支配地域)や南部・東部の政府管理地域の報道状況に関する調査結果を発表した。
24日にマス情報研究所(IMI)が公開した分析ペーパー「2019年1月~8月におけるウクライナ南部・東部のメディア状況分析」にて書かれている。
報告書には、「2019年4月に、被占領下ドンバス地方(編集注:武装集団支配地域)で活動する7つの人気インターネット・リソース(合計880のニュース)を分析したIMIの専門家によれば、ニュース全体の21%に偽情報が含まれていたとのこと。2017年時点では偽情報ニュースは11%であったが、2019年はウクライナに関する5分の1のニュースに、偽情報、フェイク、あるいは疑わしい事象が含まれていた」と書かれている。
また、報告には、いわゆる「DPR・LPR」メディアにおいて最も注目が置かれているのはウクライナ政権の動向であり、ニュース全体の20%を占めていたと説明されている。その他、19.5%が「DPR・LPR」自称「政権」の活動について、10%が戦闘地域の出来事について、9%がロシア政権について書かれていたとのこと。
加えて、これらのメディアのロシア政権について書かれた記事は、その85%が肯定的に書かれ、2%が否定的な内容であったという。反対に、ウクライナ政権について書かれた記事の49%が否定的な内容で、45%が中立的な内容、6%が肯定的な内容だったと伝えられた。
また、報告書には、ウクライナ政府管理地域の南部・東部(ドニプロ、ザポリッジャ、ミコライウ、オデーサ、ハルキウ、ヘルソン、ドネツィク州、ルハンシク州)の報道状況についても報告されている。これらの地域において、少なくとも54回の表現の自由の侵害が確認されたとあり、具体的には、記者に対する暴力、取材妨害、情報アクセス権違反が確認されたと書かれている。特に多かったのが、ドニプロ(13回)、オデーサ(13回)、ミコライウ(9回)であったとのこと。
その他、南部・東部(政府管理地域)の地方メディアのニュース(2019年4月のオンライン記事3088と新聞内の記事714)分析の結果では、オンライン・ニュースの33%、印刷物の8%が犯罪・非常事態に関するものであったと伝えられた。
東部の戦闘地域情勢については、オンラインでも印刷物でも扱いが少なく、それぞれ0.4%と4%であり、被占領地域内の動向については更に少なく、オンラインも印刷物も1%未満であったとのこと。
同地域のオンライン・メディアにおける国外ニュースで最も取り扱われたのはロシアの情勢であり、最も少なかったのは米国情勢と国際市民団体の動向であったと伝えられた。2019年8月の地方オンライン・メディア40社が発表した6629のニュースのうち、ロシアに関する報道は3%、欧州連合(EU)に関するものが1.5%、米国が1%、国際市民団体が0.5%であったとのこと。
また、南部・東部の地方オンライン・メディアの報道の情報源の大半は、諸機関・団体による発表のキャリーで、全体の41%を占めたという。次に多いのが、ソーシャル・メディア内の情報を用いた報道。そして、全体の9.5%のみが記者の現場取材により得られた情報であったという。一方で、これら地方の印刷媒体メディアでは、情報源として最も多かったのは記者による取材情報であり、その次に多かったのは専門家やコメンテーターから得た情報だったと報告された。