ドラビンコ主教、モスクワ聖庁から統一ウクライナ正教会へ移籍

ウクライナ正教会モスクワ聖庁のオレクサンドル(ドラビンコ)ペレヤスラウ=フメリニツィキー・ヴィシネウシキー主教は、統一されたウクライナ正教会へ移籍する。

キーウ(キエフ)市のモスクワ聖庁に属す救世主顕栄大聖堂における聖体礼儀の際に、同主教が自らの決定を発表した。19日、フロマツィケ通信が報じた。

報道には、「聖体礼儀の際に、同主教は、ウクライナ独立教会への移籍を発表した。すると、教会にいる人々たちは、彼の言葉を拍手で迎えた」と書かれている。

一方、ドラビンコ主教自身は、記者へのコメントで、一部の信者は彼の決定を受け入れなかったし、教会を出て行ったと述べたとのこと。

同主教は、「今日、私は聖体礼儀の際に、初めて、コンスタンティノープル総主教とエピファニー・キーウ府主教の名を呼びました。残念ながら、信者と教会に仕える者の一部は、この移籍を受け入れず、教会を去りました。しかし、私は、彼らが戻ってくることを期待しています。私たちの扉は開かれています」と説明した。

なお、モスクワ聖庁の会議では、12月15日のウクライナ正教会統一会合に出席した2名の主教と4名の教衆に対し、地位剥奪を決定していた。出席していた主教の一人は、このドラビンコ主教であった。

15日、統一し、独立したウクライナ正教会が創設されたことにより、これまで存在したウクライナ正教会キーウ聖庁と同正教会自治独立派は、自己解体したことになっており、新設の統一された正教会が両派の後継教会となっている。一方で、ウクライナ正教会モスクワ聖庁は、引き続き存在しているが、ウクライナ領での存在は教会法にはのっとっていないことになる。

今後、2019年1月6日、新たに選出されたエピファニー・ウクライナ正教会首座主教が、ヴァルソロメオス1世コンスタンティノープル総主教から、ウクライナ正教会の独立に関するトモス(公布文書)を受け取ることになっている。トモスを受け取ることにより、教会の独立手続きは完了する。