ウクライナ議会、少数民族・先住民族言語による教育に関する法律を採択
ウクライナ最高会議(国会)は、ウクライナの先住民族と少数民族に属する人々の教育的権利の確保に関するウクライナの複数の法律を改正する法律を採択した。同法は、欧州連合(EU)加盟に向けた2つの交渉クラスターの障害を取り除くことに寄与する。
関連法案第16119号に議員266名が賛成した(過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
同法は、教育課程の主要言語としてはウクライナ語を維持しつつ、ウクライナの先住民族やEUの公式言語となっている少数民族の言語で学習する機会を拡大することを定めるもの。
今回の改正は、学校での学習、教育文書の作成、外部評価の実施、教育機関の特別地位の維持に関係するもの。
同法採択後も、ウクライナ語は教育プロセスの言語であり続ける。同時に、ウクライナの先住民族やEUの公式言語となっている少数民族の言語による学習クラスがある学校では、授業中や施設内の建物や敷地内における生徒と他の教育プロセス参加者との間のコミュニケーションにおいて、国家語と並行して当該言語を使用する権利が保証されることになる。
また、先住民族の言語では、完全な一般中等教育を受けている、ないし受けた生徒に対しては、希望に応じて当該言語に翻訳された外部評価の課題を受け取る機会が確保される。この規則は、言語・文学分野の科目の課題には適用されない。
ウクライナ語で指導される科目のリストは、対応するクラスの生徒の3分の2以上の保護者が書面による申請を提出した場合、教育機関の決定により拡大することができる。
また同法律は、学校に対して「少数民族/先住民族教育機関」という地位を付与する機会を想定している。生徒の50%以上が少数民族の言語(EUの公式言語)で学習している学校は、「少数民族教育機関」地位を取得することができる。機関内にウクライナの先住民族の言語による学習クラスがある場合、同機関は「先住民族教育機関」地位を得る権利を持つ。
少数民族や先住民族の教育機関の責任者たちは、標準的な人員配置規則の要件を考慮した上で、国家語(ウクライナ語)だけでなく、対応する少数民族や先住民族の言語も習得していなければならない。このような機関の教育課程には、民族の歴史、文化、伝統、シンボル、慣習の学習を盛り込むことができる。
先住民族や少数民族の公的学校が再編または閉校される場合、創設者は保護者の申請に基づき、生徒に対して対応する言語で学習が行われる同様の地位を持つ別の機関で、適当な水準での学習を継続する権利を保証しなければならない。そのような機関は、創設者のいる行政区内になければならない。公的特別学校、先住民族・少数民族の教育機関の再編や閉校は、教育科学分野の中央行政機関との合意に基づいて行うことが提案されている。
少数民族の教育機関の地位を得る権利をすでに有していた学校は、対応する少数民族(EUの公式言語)の言語で学習している生徒が全生徒数の少なくとも20%を占めている場合、その地位を維持することができる。その割合が20%未満になった場合、当該地位に対する権利は、教育科学分野の中央行政機関との合意により終了することになる。
なお、ウクライナのシビハ外相は、Xアカウントにて、今回の少数民族に関する法律の採択後の今後の行動について、ハンガリーのオルバーン外相との会談で調整されたと伝えた。
シビハ氏は、「私たちは、二国間合意の順守の成功を互いに歓迎した。本日、ウクライナ議会は、EUのベストプラクティスに従ってウクライナにおける欧州の少数民族の権利を教育分野で確保するため、教育法の改正案を採択した」と書き込んだ。
また同氏は、ウクライナはEU加盟交渉における第1クラスターの枠組みにおける義務を遂行し、明日EUが第2クラスター(単一市場)、第3クラスター(競争力・包摂的成長)に関する交渉を開くことを現在期待していると伝えた。
同氏はその際、「この問題における建設的な立場について、ハンガリー側に感謝した。(中略)ウクライナのハンガリー少数民族の権利と安全を保証する最善の方法は、ウクライナのEU加盟をできるだけ早く確保することだ。同様に、欧州における平和を近づける最善の方法も、ウクライナのEU加盟だ」と指摘した。
同氏は加えて、オルバーン外相に対し、キーウやその他のウクライナの都市に対するロシアの攻撃の激化について報告し、欧州理事会の今後の会議の議題や、侵略者を阻止することを目的としたEUの決定について協議したと伝えた。