クラウチェンコ宇検事総長、汚職対策機関のトップに関する容疑に署名したと発表

ウクライナのクラウチェンコ検事総長は14日、同国のクリヴォノス国家汚職対策局(NABU)局長に対する容疑に署名したと発表した。

クラウチェンコ検事総長がフェイスブック・アカウントで公開した動画メッセージにて発言した

同氏は、検事総局は数十件の刑事手続きを捜査しているが、その一環でNABU及び特別汚職対策検察(SAP)の職員によって犯された重罪及び特別重罪も捜査されていると発言した。

そして同氏は、「100名以上を聴取し、無根拠な主張にならないよう、収集した証拠に基づき、非公開捜査行動の膨大な資料を収集した上で、私はクリヴォノスNABU局長に対する容疑書に署名した。私は同氏に対し、特に大規模な不当な利益を得るための公式文書の偽造、そして裁判での責任を回避する口実を人工的に作り出す目的での偽装養子縁組の容疑をかけている」と報告した。

そして同氏は、クリヴォノス氏に容疑を通知した刑事事件の資料に確信を持っており、それらを公開することができると付け加えた。さらに同氏は、SAP幹部に近い人物に対し、高等反汚職裁判所の裁判官への影響力行使、不当な利益の提案、動員回避幇助の容疑を通知したと発言した。

同氏は加えて、「正にこの刑事手続きが、(編集注:最近発表された「カルタゴ」事件における)検事総局への夜間強襲の引き金となり、真の原因となったのだ」と主張した。

同氏は、同署名は自分以外は誰も行わないとの考えていたとしつつ、自身の言葉は、(編集注:検事総局幹部に容疑が通知された)作戦「カルタゴ」のずっと前に収集された事実と証拠があると訴え、「同作戦の唯一の目的は、直接的な政治的対立者として、また望ましい新しいSAP幹部の選出を妨害し得る人物としての私を止めることだった」と主張した。

なた同氏は、これまで汚職対策機関が専門性、清廉性、独立性の模範になると信じていたのは間違いだったと指摘し、クリヴォノス氏とクリメンコ氏(編集注:SAP長)に対し、「今すぐ辞任するよう勧める」と述べた。

これを受け、NABUとSAPは、今回のクリヴォノスNABU局長に対する容疑は汚職対策機関に対する攻撃の延長だとみなしていると表明した。NABUがテレグラム・チャンネルで声明を掲載した

両機関は、検事総長の声明は独立した汚職対策機関に対する体系的な攻撃の継続であると捉えていると表明し、「この攻撃は今日始まったものではない。攻撃の活発な局面は昨年の夏の時点で既に始まっており、主な目的の1つはNABUとSAPを検事総局の傘下に収めようとする試みであった」と指摘した。

そして両機関は、「NABUとSAPは政治的闘争には参加しない。私たちは専ら法律の範囲内で行動しており、汚職対策体制の独立性を守る準備がある」と訴えた。

さらに、「現時点で、クリヴォノスNABU局長に対して公式に容疑の通知は手交されていない。また、検事総長の声明で言及されているような刑事手続きをNABUが押収した事実もない。NABUがそのような手続きを押収したとされる全ての主張は事実に反している。したがって、先日辞表を提出した検事総長の声明は、現時点では手続き上の性格を持つものではなく、表明の性格を持つものである」と指摘している。

同日、ゼレンシキー宇大統領は、クラウチェンコ検事総長を速やかに解任するよう最高会議(国会)に呼びかけた。ゼレンシキー氏がXアカウントにメッセージを掲載した

ゼレンシキー氏は、「この検事総長にあるのは、職から解任されるという道だけだ。私は、それをこそ彼に述べた」と書き込んだ。

さらに同氏は、「ウクライナはあらゆる理由を目にした。もし彼が、それを政治的圧力だと思うなら、そう呼べば良い。議員たちに対して、その解任を速やかに支持するよう要請する」と伝えた。

その後、アラハミヤ最高会議与党会派「人民奉仕者党」会派長は、テレグラム・チャンネルにて、クラウチェンコ検事総長の解任投票は9月15日に行われると報告した

これに先立ち、4日、特別汚職対策検察(SAP)と国家汚職対策局(NABU)は、「カルタゴ」作戦と称する刑事捜査の一環で、検事総局の部署の1つのトップが率いる犯罪組織を摘発したと発表していた。この犯罪組織は、詐欺を行うコールセンターから体系的に賄賂を受け取り、得た資金をマネーロンダリングしていたという。

捜査情報によれば、検事総局の幹部は2025年中頃にグループを創設し、現役の検事たちや近しい外部の人物らを関与させたという。犯罪組織の参加者たちは、ウクライナ人や外国人を大量に騙していた闇コールセンターの活動のための上納金システムを運用していたという。

高等反汚職裁判所は6日、詐欺コールセンター活動の揉み消し容疑のかけられている検事総局のクロピヴァ国際協力局副局長に対し、1億2000万フリウニャの保釈金を設定した上での拘留の未決囚予防措置を選択していた。

6日、クラウチェンコ検事総長は、違法なコールセンターの活動の隠蔽に自身は関与していないと主張する声明を発出していた。

7日、クラウチェンコ検事総長は、同職からの辞任の意向を表明していた