シビハ宇外相、ウクライナとポーランドの間の歴史論争を巡る対立激化を回避するよう呼びかけ
ウクライナのシビハ外相は3日、ゼレンシキー宇大統領がウクライナの部隊に「ウクライナ蜂起軍の英雄」との呼称を付与したことを受け、ポーランドで反発が生じていることにつき、歴史論争を巡るウクライナとポーランドの間の「憎悪の歯車を回さない」よう呼びかけ、主要な共通の課題は依然としてロシアによる侵略だと指摘した。
シビハ外相がXアカウントにコメントを投稿した。
シビハ氏は、ウクライナとポーランドの間の対立先鋭化は、ウクライナ人にとってもポーランド人にとっても利益をもたらさないと強調した。また同氏は、過去約2年間でウクライナとポーランドの間の建設的な対話を回復することに成功したとし、具体的に、1943〜44年「ヴォリーニの悲劇」の犠牲者遺体の捜索及び発掘の再開、犠牲者の再埋葬の実施、歴史家会議の活動再開を挙げ、共通の歴史の複雑な議論を、専門的かつ学術的に根拠のある議論へと移行させたと指摘した。そして同氏は、それがデリケートな問題に関する対話と双方の間のより良い相互理解に寄与したとし、それは「相互の尊重、承認、誠実さという、完全に正しいアプローチだ」と強調した。
加えて同氏は、「それを損ない、憎悪の歯車を回すことはあってはならない。ましてや、私たち全て、ウクライナ人、ポーランド人、その他の欧州人、の上に、私たちの宿敵であるロシアによる脅威が再び突きつけられている中ではなおさらだ。お互いの闘いが深淵へと繋がることを忘れてはならない」と訴えた。
そして同氏は、それらを認識した上で、感情の温度を下げ、共通の歴史は専門の歴史家の検討に委ね、共通の敵への対抗、欧州の安全保障の強化、両国の人々の自由な未来の保護という、主要な問題に注意を集中するよう呼びかけた。
同氏はその他、波紋を呼んだ部隊の名称は、ウクライナ軍人自身による選択であったと指摘した。同氏はその際、軍人は無条件の敬意に値するとし、なぜなら、現在軍人たちこそが前線や、ロシアの脅威からの欧州全体の防衛のラインを維持し、そのために最も高い代償を払っているからだと指摘した。
そして同氏は、「私は、私たちの軍人が反ポーランド的な意図など微塵も持っていなかったことを確実に知っている。彼らにとってそれは、同じように何年も前に帝政モスクワ、ボリシェヴィキ・共産主義の占領や弾圧に対して闘った人々を称えることであった」と指摘した。
同氏はその際、ウクライナが、ポーランドと同じようにに、自国の独立と困難な活動と闘いによって進んできたことを喚起した。そして同氏は、「私たちは、この恐ろしい戦争の時にウクライナを支援する上でのポーランドのリーダーシップに感謝している。最も複雑なものも含め、全ての問題を相互理解と開放性の精神で議論することを切望している。私たちの国家の安全と繁栄する未来という優先課題に従い、対話と私たちの関係の強化を呼びかける」と伝えた。
これに先立ち、5月27日、ゼレンシキー大統領は、ウクライナ軍特殊作戦軍独立特殊作戦センター「ピウニチ」に対し、「ウクライナ蜂起軍(UPA)の英雄」という名誉称号を付与していた。
これを受けて、ポーランド外務報道官は29日、この決定を非難した。
ウクライナのティーヒー外務報道官は29日、ポーランドとウクライナの歴史には栄光ある出来事も悲劇的な出来事もあるが、UPAの英雄賛美に反ポーランド的な意図はなかったと指摘した。
6月2日、ウクライナのミシチェンコ外務次官とポーランドのウカシェヴィチ駐ウクライナ・ポーランド大使代行は、今回の名称付与をめぐる、ウクライナとポーランドの社会の受け止めにつき協議を行っていた。