EU「準加盟」提案はウクライナににとって有益となる可能性=チャプトヴィチ元ポーランド外相
ポーランドのチャプトヴィチ元外相(2018〜2020年)は、ドイツのメルツ首相による、ウクライナに対して、まずいわゆる「準加盟(連携加盟)」地位を付与することで、ウクライナのEU加盟を加速するという提案は、ウクライナにとって有益となる可能性があると発言した。
チャプトヴィチ元ポーランド外相がウクルインフォルムの特派員にコメントした。
チャプトヴィチ氏は、この提案は「EUの機関及び機構の活動に参加する機会を与えることになるため、ウクライナにとって重要かつ有益」だと指摘した。
同氏はまた、「その時点(編集注:EU準加盟地位を得た時点)で投票権がなかったとしても、その存在自体がEUの機能メカニズムを理解し、自らの立場を示すのに有益である。これにより、EUへの最終的な完全加盟に近づくかもしれない。私の見解では、これはウクライナのEU加盟プロセスが陥っている行き詰まりから脱却させる、非常に肯定的な提案である」と強調した。
さらに同氏は、米国が以前自らが提示した和平計画の中で、EUがウクライナの将来及び安全の保証に対してより大きな責任を負うべきだと示唆していたことを喚起し、メルツ氏の提案はその米国の期待にある程度合致するものだと指摘した。そして同氏は、「その米国の側面も重要であり、この提案の根拠をさらに補強している。もしかしたら、これによりゼレンシキー大統領の地位も強化され、和平の確保及びロシアとの紛争解決に関する交渉において新たな可能性が開かれるかもしれない」と指摘した。
同時に同氏は、その「準加盟」提案がどれほど現実的であるかという点が重要な問題として残っていると発言した。同氏は、以前ウクライナの欧州統合に懐疑的だったEU加盟国は、ハンガリーのオルバーン当時首相の立場の陰に隠れていたが、オルバーン氏が議会選挙で敗北した後、これらの国々はもうハンガリーの陰に隠れることはできず、ウクライナのEU加盟に関する自国の立場を明確にすることを迫られることになると指摘した。
そして同氏は、「様々な国が様々な理由から(編集注:ウクライナのEU接近に)反対しており、時に、それらの国は『完全加盟のみを目指すべきであり、中間的な選択肢は不可能』かのようなレトリックを使用している。彼らはウクライナのEU加盟を支持していると言うだろうが、多くの者がウクライナを競争相手とのみみなしているため、実際にはそれはプロセスを引き伸ばしなのだ」と強調した。
その他同氏は、本件におけるポーランドのあり得る立場を評価する中で、ウクライナのEU加盟はポーランドの戦略的利益にかなうものであると言及した。同氏はその際、「EUと緊密に連携し、EUの活動に参加し、特定の欧州メカニズムを利用するウクライナは、EU全体を変化させている。EU内のウクライナは、国境を接し、経済面で協力し、開かれたウクライナ市場を利用できるポーランドにとってもチャンスである。したがって、戦略的な次元において、それがポーランドにとって有益であることは疑いない」と発言した。
同時に同氏は、今回のメルツ氏の提案に対して、ポーランドに一定の懐疑的姿勢が見られることについて、ポーランドの政治家たちが「短期的な政治的利益や世論の期待に関する思惑」によって行動している可能性があると指摘した。同氏はその点につき、「彼らはウクライナをある種の競争相手とみなしており、ウクライナを強化することを、ポーランドの地位の相対的な弱体化とみなしている可能性がある」と述べた。
同氏は、これが主に一部の経済部門、特に農業や運輸における競争、また現在ポーランドが利用している欧州基金へのアクセスに関係している可能性があると補足した。そして同氏は、ウクライナへの準加盟地位付与に対する懐疑論者たちは、このような提案は時期尚早であり、EUへの完全加盟に向けた接近段階を飛び越えてはいけないなどと主張する可能性があると指摘した。
同氏はその上で、「しかし実際には、その背後には特定の懐疑主義が隠されているのだ。個人的には、このような緊密な準加盟ステータスの利点は、EUへの完全加盟に向けた道における欠点を上回ると考えている」と締めくくった。
これに先立ち、ドイツのメルツ首相は、まず「準加盟」を認めることでウクライナのEU加盟を加速させることを提案していた。