中国はロシアの弱体化を望んでいない=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は8日、中国はロシアないしプーチン氏個人に対して、大きな影響力を持っているが、現在、中国はロシア・ウクライナ戦争の終結に利益を見ていないと指摘した。

ゼレンシキー大統領が記者団に対して発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「私たちは、私たちを尊重する全ての国家の統一性と領土の一体性を尊重している。そして、当然、中国はそのためにあらゆることを行うことができる。間違いなく、中国は強い国であり、強い経済を持っている。私たちにとって最も重要なのは、中国がロシア、プーチン個人に対して確実に持っている、影響力だ。しかし、中国の人々、歴史、文化に対するあらゆる経緯を持ちつつも、私はたちは正直に(次のことを)言わねばならない。私は、中国にとってこの戦争の終結が有益になるとは思っていない」と述べた。

また同氏は、それを中国と米国の間の世界的な対立、2つの大きな極の対立と結びつけて説明した。

その際同氏は、中国はロシアの敗北に利益を見出していないとし、なぜなら、ロシアの弱体化は米国の立場を強くするからだと説明した。そして同氏は、「現在、中国にとっては、弱くて敗北したロシアは不利なのだ。それによって、ウクライナの人々が苦しんでいる。なぜなら、中国にとってロシアを止めることが不利であるならば、それは戦争が継続することを意味するのだ。それは、中国が直接的に武器でロシアを支援しているという意味ではないものの、同国は確実にこの戦争の停止を支持していない。それは確実だ」と強調した。

同時に同氏は、ウクライナの情報機関は中国からロシアへの技術品やその他の資源の提供を監視していると述べつつ、「既に、中国からロシアへの工作機械などの供給に関する情報機関の報告があるが、直接の武器の供給についての報告はない」と補足した。